【産業天気図・銀行業】不良債権問題はひとまず終了、収益力競争へと突入

●お天気概況
 2004年度で不良債権処理という長年の懸案に道筋をつけたことで、2005年度は上期の段階で4大グループ(10月以降は三菱東京FGとUFJHDが統合し3大グループに)とも最終黒字へと浮上する。
 たとえば三井住友で前期9538億円にも上った与信関連費用(不良債権処理費用)は今期は3000億円にとどまるためだ。ここ数年来、業界全体では、本業の稼ぎである業務純益を食い潰すほどの与信関連費用を計上してきたが、そのくびきも消えたことで、しばらくは『晴れ』模様を謳歌できる見通しだ。三菱東京とUFJは初年度の統合費用がかさんで利益圧迫要因となるが、増益は確保できる。前期赤字転落した三井住友も浮上。みずほFGは税務訴訟による特益は剥落するものの、企業再生子会社からの配当金も期待でき、本業は伸長が見込まれる。

●今後の注目点
 不良債権問題が一服し、財務の健全性に加えて各社の収益力に注目が集まっている。しかし、業界全体でここ数年、一般企業の粗利益に当たる「業務粗利益」の減退が著しい。ただ、この業務粗利益の構成要素の中でも、投資信託、年金保険など金融商品の窓口販売などによる手数料収入は急速に伸びている。
 問題は銀行業の中軸である貸し出し業務の縮小だ。上場企業等は、好決算で計上した利益を原資に銀行借入の返済を進める一方。このため各行とも中小中堅企業向けの無担保ローンや住宅ローンの強化を掲げるが、従来型の大企業向け貸し出しをカバーする規模までには育っていない。収益力勝負の優劣は、いかに早く貸し出しボリューム拡大へと転じる施策を打てるか、にかかっている。
【風間直樹記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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