日本人が陥りがちな「英語学習」6つの誤解 楽な道はないが楽しめる道はある!

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これは日本語と英語の言葉を対にして覚える、という作業であって英語の運用能力を上げているのではないのです。単語を覚える、の概念をアップデートしましょう。英語の単語と結びつけるのは「たったひとつの日本語」ではなく「イメージと状況」。これらをセットにして頭にたたき込むのです。

(写真:マツ / Imasia)

英語と日本語を対にして覚えることがなぜよくないかと言えば、たとえば「見る」に対応して覚えた「see」「 look at」「watch」「stare」などの表現の違いがわからなくなることと、いろいろな状況での「見る」を英語で言えないので話せるようにならない、という点です。

たとえば外で映画を見るときの「見る」は「see」。ところが家の中では「watch」になります。英語は日本語での意味が同じであっても、それぞれ状況によってふさわしい単語があるのです。

ということで、英語の単語を日本語と対にして覚えるのではなく、英語のニュアンスをつかめるように気をつけましょう。ポイントは「英英辞書」を使って英語の説明に一度目を通しておくことと、文章を最小単位ととらえること。単語は文章の中にあって、初めてその文脈での意味を成します。

単語だけを切り取った単語帳より、例文がしっかり載ったものを選びましょう。そして英語を読んだり聞いたりしながら、生きた英語の使われ方を意識してみましょう。切り取られた単語は、シャケの切り身のようなもの。切り身ではなく、イキイキと泳ぐ本来の鮭の全体の姿を知るようにしましょう。

文法書は困ったときだけでいい

間違いその2 「文法書を頭から丸ごとやろうとする」

「よし英語やるぞ」と思い立った人が、最もやりがちなのがこれです。真面目な日本人は、まずはしっかり最初から全部を洗いざらいやってみようと息巻くわけです。その結果、どうなるか。だいたいは途中でやめてしまう。

ここは、少し考え方を変えてみましょう。努力が迷子にならないように、正しいベクトルに向けてあげるのです。文法書はDVDレコーダーの説明書のようなものだと認識してください。DVDレコーダーを買ってから日頃使いこなすまでに、説明書を使うタイミングを今一度思い返してみてください。

結局、説明書を取り出すのは、最初のセッティングのときと何か困ったとき、故障したときくらいではないですか? 四六時中、説明書を読んだり内容を覚えようとマーカー引いたりしませんよね? 文法書も実は同じ扱いで問題ありません。英語は使ってみて、読んでみて、書いてみて、そのトライ&エラーで「困ったとき、不安なとき」に文法書を読み返してみれば十分です。

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