楽天、3700億赤字でも「状況は意外に悪くない」訳 決算の「5つの数字」で読み解く今後の行方

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楽天グループの三木谷浩史会長兼社長
巨額赤字を計上した楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(写真:ブルームバーグ)

楽天グループは2月14日、2022年12月期の決算を発表し、過去最大となる3728億円の純損失を計上したことを発表しました。

日本を代表するインターネット企業としては巨額の損失であることには違いないのですが、実はこの数字はある意味、楽天ウォッチャーから見れば織り込み済みの数字です。昨年11月に発表した第3四半期決算の段階ですでに2871億円の営業損失を計上していましたから、最終損益も過去最大になるであろうことは自明でした。

楽天がなぜこれだけ巨額な損失を出しているのかというと、楽天モバイルが巨額な設備投資をしている影響で、その赤字が莫大だからです。

楽天市場や楽天カードなどの事業は黒字

楽天グループは楽天市場などのインターネットサービスでセグメント利益を782億円あげ、楽天カードなどフィンテック事業では987億円も稼いでいます。それらの利益を楽天モバイルのセグメント損失4928億円が吹き飛ばしているというのがグループの赤字構造です。

楽天は最後発の携帯電話会社として出発して、ようやく全国に人口カバー率98%の自前のネットワークを構築したところですから、初期投資額がかさんで巨額の赤字に陥るのは、会計上、当然予測されたとおりの状況です。その意味で投資家や楽天ユーザーが知りたいのは、

「このあと状況はよくなるのかどうか?」

でしょう。先に結論から言うと昨年11月の第3四半期決算のときと比べて明るい兆しとなる数字がいくつか目につきます。今日は決算発表の数字から5つの数字をピックアップして、楽天グループがこれから先どうなるのかを考えてみましょう。

次ページ1つ目の注目数字は?
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