マクドナルドのコーヒー大刷新に見た確かな道筋 わざわざ強調する「カフェ」にもっと来てほしい

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新しくなったマクドナルドの「プレミアムローストコーヒー」
新しくなった「プレミアムローストコーヒー」。トレーの下に敷く紙“プレイスマット”にも、こだわりが記されていた(筆者撮影)
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「今日は寒いので、コーヒーのご注文も多いですね」

1月下旬、東京都内のマクドナルド店舗で、セットメニューを注文しながら店員に聞くと、こんな答えが返ってきた。

日本マクドナルドは看板メニューの「プレミアムローストコーヒー」を約3年ぶりに全面リニューアルし、1月16日から全店に導入。それとともに、これまで100円(Sサイズ、税込み)だった商品価格を120円に値上げした。報道関係者に配布された資料には、商品リニューアルのこだわりとともに、「本気カフェ宣言」とのキャッチフレーズも掲げてあった。

日本1号店が銀座にオープンしたのは1971(昭和46)年で、すでに半世紀を超えた。現代の消費者にはファストフードのイメージが強いが、運営側はレストランへのこだわりを持ち、以前は別の店舗で「当店はレストランです」の文字を見かけたこともある。

なぜ、わざわざ「カフェ」を強調するのか。事業部の責任者に取材し、活動を紹介しながら、「日本の消費者×コーヒー」を考えてみた。

味に対する反応は好意的

まずは、リニューアルした味に対する消費者の反応を聞いた。

「スタートしたばかりですが、ポジティブな声が多いですね。SNSでも『ほんとに、おいしくなったね』『時間がたっても、すっぱくならない』という声をいただいています」

今回のリニューアルを担当する亀井理華さん(マーケティング本部 ナショナルマーケティング部 部長)はこう話す。同社の事前調査では「コクがある」「キレのある後味がする」と答えた人が、それぞれ70%(とてもそう思う+そう思うの合計)となった。

商品リニューアルでこだわった点は、主に次の3点だという。

(1) コーヒー豆の産地・焙煎度の見直し
(2) コーヒードリッパーの形状変更
(3) カップの飲み口サイズを大きくした

「コーヒー豆は、コロンビア・グアテマラ・ホンジュラス・ブラジル産の豆で、高品質なアラビカ種を使っています。今回、それぞれの豆の焙煎度合いを微調整して深煎りにしました。

また、コーヒードリッパーは、従来型よりも先端を細くしたことで、お湯と焙煎した粉が触れる時間が長くなり、豆本来の味が楽しめるようになりました。飲み口のサイズも大きくし、香りを楽しめるようになっています」(亀井さん)

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