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放送収入の減少続く「キー局と地方局の深い溝」 配信広告やIPビジネスで描く新たな成長モデル

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  • 境 治 メディアコンサルタント
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テレビに求めるものはドラマやバラエティーなど予算をかけたエンタメとは限らない。身近な情報やニュースも見たいと思うことは誰しもあるのではないか。ローカルニュースに価値がないと決めつけるのは早計かもしれない。

2月12日(日)昼2時から「福岡くん。東京におジャマしますSP」という番組が、関東と福岡だけで放送された。FBS福岡放送制作の福岡エリアだけで放送している番組だが、この日は特別に関東でも日本テレビにより同時に放送された。「福岡県民以外は1ミリも面白くない」と銘打ったバラエティーで、福岡のさまつな話題を取り上げて地元で盛り上がる番組だ。

筆者は福岡出身なのでうれしくてリアルタイムで見た。おそらく福岡県民でも知らない話題で、面白く視聴した。放送前後に「福岡くん」がTwitterでトレンド入りし、賑わっていた。県民以外1ミリも面白くないはずだが、関東でも視聴率はなかなかよかったらしい。

ローカル局にとってのヒントと使命

福岡県の話題は、福岡県以外にも興味を持つ人はいるのだ。私のような出身者がそうだが、何らかの縁やつながりのある人は福岡以外にも必ずいる。福岡の話題は、東京でも、全国でもしていいのだ。

ここにはローカル局にとってのヒントと可能性がある。自分たちの番組やニュースを、日本中に、いや世界に配信してもいい。見る人がいれば、そこにはビジネスチャンスもある。ローカル局同士でFASTサービスを立ち上げてもいい。ほかにもあらゆる可能性はあるはずだ。

これまでキー局にぶら下がっていれば楽ちんだった。だから例えばNHKの同時配信に反対ばかりして、自分たちが配信に乗り出す努力をほとんどしてこなかった。そのツケが今、回ってきている。だが、何も諦める必要はない。SVODだってFASTだって、アメリカの事業者が血のにじむ思いで開発してきたサービスだ。日本のローカル局が自ら汗をかいてさまざまにチャンスを作ってもいいではないか。

ローカル局は、その地域の人のために、そして地域に関わる人のために、番組を送り続ける使命がある。できることを、真剣に考えるべき時が今、来ている。

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