コンビニの「セルフレジ」は当たり前になるのか 酒・たばこ「非対面」の販売実現でも残る課題

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コンビニを訪れる河野太郎出デジタル相
セブンの店舗を視察する河野デジタル相。セルフレジで年齢確認できるようになり、「使ってみて非常にわかりやすく、簡単でよかった」と語った(写真:デジタル庁)

1月31日、河野太郎デジタル相が東京都千代田区麹町のセブン-イレブン店舗を訪れた。コンビニなどのセルフレジで酒・たばこを購入できるようになったことを視察するためだ。

酒・たばこの購入には年齢確認が必要で、従来は店員が目視で年齢確認を行う必要があった。だが1月31日、日本フランチャイズチェーン協会が「デジタル技術を活用した酒類・たばこ年齢確認ガイドライン」を公表。店員による目視での確認がなくても販売が可能になった。

このガイドラインは、政府のデジタル臨時行政調査会で「妥当で合理的」と評価され、デジタル庁のお墨付きを得ている。マイナンバーカードや運転免許証を、コンビニのセルフレジで読み取って年齢を確認する。

河野デジタル相は「酒・たばこの購入時において、かなりきちんとした年齢確認がセルフレジでできるようになる。人口が減り、高齢化が進む日本で人手不足は大きな課題。デジタル技術でこの人手不足を乗り越えることがしっかりできたらよい」と期待を語った。

コンビニで進む深刻な人手不足

確かに、酒・たばこの客が来るたびに店員が対応しなくて済むようになる今回の規制緩和は、人手不足が深刻なコンビニにとって朗報だ。あるコンビニ本部の現場社員は「コンビニのアルバイトは最低賃金の店が多い。それなのに覚えることが多く、募集してもなかなか集まらない」と嘆く。

2019年ごろ、人手不足を補うためコンビニオーナーが長時間労働している実態が社会問題になった。その後、コロナ禍で人手不足は一時的に緩和した。外食産業で時短営業や休業が相次ぎ、その働き手がコンビニに流入した。

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