学校英語では「いつまでも喋れない」悲しい理由 ネイティブの感覚を養う、英語のとらえ方が重要

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現実に、ネイティブはこうした文法用語に置き換えて英語を話しているのではなく、「意味」から直接英語に直しています。つまり、「意味順」はネイティブの感覚を養える英語のとらえ方なのです。

また、どんな英文にも汎用が利きます。日本人が苦手とする関係代名詞の文を作ってみましょう。意味順の枠に当てはめるだけですから、「目的語が何で、先行詞が何で……」といった「まわり道」をせずに英文が作れることを、ご理解いただけるかと思います。

(出所:『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』)

「ツッコミ」で次に来る内容を予想できる

最後に「ツッコミ」を入れながら英語を話す・聞くことをおすすめします。たとえば、会話の相手が次のように言ったとしましょう。

I live(私は住んでいる)…….

ここまで聞くと、文の最後まで聞かずとも、次に「どこに?」(つまり、場所)が続くことは容易に予想できます。同様に、

I read(私は読んだ)なら、「なにを?」

I met(私は会った)なら、「だれに?」

I put(私は置いた)なら、「なにを?」「どこに?」

といった「ツッコミ」を入れることができますね。

改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本
『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

こうした発想が可能になるのは、意味順の5つのボックスが用意されているからです。このツッコミのおかげで、日本人がミスをしがちな、主語や目的語の欠落を防ぐことが可能になります。相手の話を積極的に聞き取ることや、英文の意味を前から順に読み取る直読直解でも効果を発揮します。

「だれが」「する(です)」「だれ・なに」「どこ」「いつ」の意味の順番に、ボックスに語(句)を置いていく。

この意味順を意識していただくことで、英語の文の理解が深まり、ネイティブのように英語を使いこなすための近道となるでしょう。

田地野 彰 京都大学名誉教授・言語学博士(Ph.D.)

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たじの あきら / Akira Tajino

名古屋外国語大学教授。京都大学名誉教授。専門は教育言語学・英語教育。国際誌ELT Journal(英国オックスフォード大学出版局)編集委員や一般社団法人大学英語教育学会特別顧問などを歴任。『<意味順>英作文のすすめ』(岩波書店)や『「意味順」式イラストと図解でパッとわかる英文法図鑑』(KADOKAWA)など著書多数。『ドラえもんの英語おもしろ攻略ひみつ道具で学ぶ英語のルール』(小学館)などの監修をはじめ、NHK『基礎英語1』、『ラジオで!カムカムエヴリバディ』(NHK出版)にて英文法学習に関する連載を担当。

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