東大生が「共通テスト」実際解いて得た来年の教訓 「従来の解法テクニックはもう使えない」説を検証

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2023年度大学入学共通テストの世界史
出所:2023年度大学入学共通テスト

僕がもし受験生なら、問答無用でこの問題は①を正解にしていました。なぜなら、「可能性がある」となっているからです。「0.1%でも可能性があるならこれを否定することはできないから、これが○だな」と思っていたことでしょう。しかしこの問題、①は正解ではないのです。

なぜなら、この問題の問題文には、「前の文章を参考にしつつ」と書いてあります。この文章を読んで読み取れることを答える問題であるため、文章から読み取れる情報ではないこの選択肢は×になっていたのです。普通、「絶対」「例外なく」はないわけですが、切り取られた文章の中であれば、「絶対」「例外なく」はあるわけですね。

今後、このように、「普通だったら○になる選択肢が、『文章に書いていないから』という理由で×になることが増えてくるのではないか」と僕は考えています。「言いすぎテクニック」が、今後使いにくくなってしまう可能性を示唆していると感じました。

国語の「複雑な感情テクニック」は使える?

次は国語です。国語では、漫画『ドラゴン桜』でも紹介された有名なテクニック、「複雑な感情テクニック」というものがあります。

これは、例えば小説の問題で、「Aくんが嬉しくなった」「Aくんが悲しくなった」「Aくんが複雑な感情になった」の3つがあるとなった場合、たいていの場合「複雑な感情になった」が正解になる、というものです。

理屈としては先ほどと同じで、正解になるのは言いすぎた選択肢ではなく、複合的な選択肢やフワッとした選択肢のほうが、後から選択肢にしたことを否定されることがないから、というものですね。

これも検証してみました。で、結論から言うと、確かにこのテクニックは今回、使うことができました。次の問題をご覧ください。

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