東大生が「共通テスト」実際解いて得た来年の教訓 「従来の解法テクニックはもう使えない」説を検証

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2023年度大学入学共通テストの国語
出所:2023年度大学入学共通テスト

文末の表現に注目してください。「いら立った」「厚かましさも感じた」「嫌悪感を覚えた」といういろんな選択肢がある中で、「逃れたい衝動に駆られた」というものがあります。「逃れたいと思う」というのは、苛立ちを覚えて逃れたいと思ったという解釈もできれば、嫌悪感を覚えて逃れたいと思ったという解釈もできます。

つまり、この「逃れたい衝動に駆られた」というのは「複雑な感情」と同じく、いろんなものが複合的になったフワッとした選択肢なので、これが正解になります。テクニックで解くことができました。

読解力も語彙力も総動員しないとテクニックが使えない

ですが、このロジックってけっこう難しいですよね。「逃れたい衝動に駆られた」=「複合的な選択肢」というのが理解できるためには、読解力も語彙力も総動員しなければなりません。

この問題のように、今後もしかしたら、単純なテクニックは使えないけれど応用のテクニックは使えるという「テクニックを使うための読解力」を求める問題が多くなると言えるのではないでしょうか。

ということで、結論としては

・共通テストでもテクニックは使える
・でも、確かに使いにくくなってきている

ということがわかりました。結局、テクニックを完全に排除した試験というものは作れないけれど、それを運用するためのハードルが上がってきているような印象があります。みなさん、ぜひ参考にしてみてください。

黒田 将臣 現役東大生

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くろだ まさおみ / Masaomi Kuroda

東大合格者0人の高校で、高校入学当初は下から数えた方が早い順位だったが、東大受験に合格するためのテクニックをハックし、2浪して東大に合格した。いまだだに努力神話の建前が根強い一方で、進学校や予備校などの 高額な教育産業が受験ノウハウを独占している受験の世界を変えるため、東大生集団「カルぺ・ディエム」に所属して、自分で受験のゴールを設定し、 自力で東大合格できる受験生を一人でも増やすために活動している。

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