アップル新「HomePod」3~4週間予約待ちのワケ 「進化というより最適化」4万4800円スピーカー
こうしてみていくと、アップルがHomePodのキャラクターを変化させずに、コストダウンを実現した結果が見て取れる。なおアメリカでの価格は299ドルと据え置きだが、日本では円安の影響で、価格が大きく上昇している。
ハードウェアとしてみれば、第1世代から第2世代へは、進化というより最適化という言葉がふさわしいのではないだろうか。
音を聴くと、唸らざるを得ない
そうしたハードウェア的な最適化が進んだ第2世代のHomePodだったが、実際に音を聴いてみると、また違った印象をもつことになる。
第1世代でも対応していた単体でのステレオ再生や空間オーディオについて、狭い一般的な日本のリビングルームで鳴らしてみると、低音のパワフルさは健在だったが、高音のクリアさがより際立ち、またはっきりとした空間オーディオの再現を感じられるような印象を受けた。
第1世代はパワーで押される感覚に対し、第2世代はもっとクレバーに、より緻密に音が広がって押し寄せてくる感覚。中音域がより豊かに感じられる点も、個人的には第2世代の音作りが好みに感じた。
確かに、ツイーターが2つも減らされた第2世代に比べれば、第1世代がパワフルに聞こえる点は納得がいく。しかし第2世代のHomePodで目指していること、それは単体であっても、部屋を空間オーディオで満たす、そんな方向付けが感じられる。
これまでのHomePodにも内蔵マイクによるフィードバックを経て、スピーカーが設置されている場所から最適な音場設計を行う仕組みがあった。第2世代では、A8からS8へとチップが変わり、室内空間の検出やリアルタイムチューニングを行うことで、体験した繊細さを、少ないスピーカーで緻密に作り出していた。
付け加えておくと、HomePod miniとはまったくの別の体験が待っていると指摘すべきだ。確かにHomePod 1台でmini 3台分の値段になってしまうが、HomePod miniを2台でステレオペアを構成したとしても、HomePod単体の音の満足度ははるかに高い。
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