湯船で揚がるコロッケの大反響、仕掛け人の告白 無名からSNS発デザイナー、バズった裏側を語る
それならば、固形の入浴剤がひとつ、ちょうどいいサイズ感で収まる、平べったい形のコロッケはどうだろう。丸い形のメンチカツよりも、湯船の中で入浴剤ケースがくるくると不規則に回ったりして、面白くなりそうだ。頭の中で、コロッケ型の固形入浴剤ケースが浴室に置かれている姿を思い浮かべることができた。
これだ! と思った私はすぐに湯船からあがり、迷うことなく制作を始めた。
イメージは完全に頭の中で出来上がっている。PC上で写真素材を組み合わせて、思い描く形を作り上げていくデジタルコラージュ(合成写真)という手法を使い、1時間ほどで「コロッケ型の固形入浴剤ケース」は完成。面白いと思ったことをすぐに形にできる、デジタルコラージュの手軽さが好きだ。
iPhoneの通知が鳴りやまない大反響
コロッケ型の固形入浴剤ケースをTwitterに投稿して、わずか数分後の23時。作品を投稿してからの反応が、いつもに比べて1.5倍くらい多く、拡散も早い。コロナ禍のステイホーム期間ともあって、スマホを見ている人が多いのだろう。その日は、そう納得して眠った。
在宅勤務。8時30分のアラームで目を覚ます。異変に気づいたのは、iPhoneのホームボタンを押した時だった。
ロック画面に表示されるTwitterの通知が1秒おきに更新され、音が鳴りやまない。通知の速度が速すぎて、まるでDJがレコードをスクラッチするように、通知音同士が食い気味に重なり合って聞こえる。寝起きということもあり、状況を飲み込めず、ロック画面に数秒表示されては消えていくユーザー名を見つめながら、「なんだか、ラジオネームみたいなユーザー名の人が多いな」とぼんやり思った。
Twitterのアプリを立ち上げると、昨晩投稿した作品に、これまでに見たこともないリツイート数といいね数が表示されている。これまでは、良くても50いいね程度だったものが、今回は軽く500いいねを超えている。フォロワー数も、画面をリロードするたびに増える。この調子だと、初めて1000いいねくらいは、いくかもしれない。
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