テスラ「業績絶好調」でも"中国では大苦戦"の苦悩 現地では「EVメーカー」の淘汰加速の予測の声も

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テスラのCEO、イーロン・マスク氏(写真:ロイター/アフロ)

テスラが1月25日に発表した2022年10~12月期決算は売上高、純利益ともに過去最高だった。一方、販売台数の伸び率は年初目標に届かず、中国のBYDなどライバルの猛追を受けている。

イーロン・マスクCEOは決算説明会で、中国が世界で最も競争の激しい市場だと指摘し、「中国の会社がテスラの次に来る可能性が最も高い」と述べた。テスラが1月に主要市場で値下げに踏み切ったのは、中国メーカーの成長の芽を摘むための「肉を切らせて骨を断つ」戦術とみることもできる。

1月25日の決算発表後、テスラの株価は連騰している。だが、2022年は同社にとって誤算続きで、時価総額は2021年秋から7割以上減った。

2022年の販売目標は前年比50%増の140万台だったが、10月の時点で目標未達が濃厚となり、同40.3%増の約131万台にとどまった。

テスラ車の3台に1台が売れる中国の混乱

目算が狂った最大の理由は、テスラ車の3台に1台が売れている世界最大の自動車市場、中国の混乱だ。

中国の2022年の自動車市場は、政府のゼロコロナ政策に振り回された。前半は3~5月の上海封鎖で生産・販売ともに大きく落ち込んだ。中国政府が6月に価格30万元(約570万円)以下、排気量2.0リットル以下の乗用車を対象に自動車取得税を半減する政策を導入し、需要は持ち直したが、広東省広州市や重慶市など複数の大都市で行動制限が厳しくなった10月以降、再び販売が低迷した。

上海に工場を構えモデル3とモデルYを生産するテスラは、上海封鎖で3週間にわたって生産が止まった。当時はモデルYの納車が半年待ちに及ぶこともあり、同社は夏に上海工場を拡張して生産能力を増強した。だがその後中国の消費の力強さは失われていった。

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