中国「61年ぶり人口減」過熱するバラマキ競争 中国の専門家からは「港区を倣うべき」の声も
中国の2022年の人口が61年ぶりに前年を割った。今年はインドに抜かれ、人口世界一の座から陥落すると見られている。
人口抑制を長年の政策としてきた中国だが、想定以上のペースで少子化が進み、労働力の減少や活力の低下という新たな難題に直面している。若者が流出する地方の村からIT産業が集積する深圳まで、出産奨励のため「ばらまき政策」に踏み切る都市も相次ぐ。
出生数が1000万人下回るのは建国以来初
中国国家統計局は1月17日、2022年末時点の人口が前年から85万人減少したと発表した。人口減少は1961年以来61年ぶりとなる。2022年の出生数は956万人と、前年から107万人減少した。1000万人を下回ったのは1949年の建国以来で初めてだ。
65歳以上の人口は2億978万人で、高齢化率は14.9%となった。予想よりも速いペースで高齢化が進み、15~65歳の生産年齢人口は2013年の10億1041万人をピークに減少に歯止めがかからない。
中国は1970年代に一人っ子政策を導入し、2015年まで産児制限を続けていた。2016年に同政策を廃止し、2021年には第3子の出産も容認したが、出生数は低下の一途をたどり、国の一大事になっている(第3子容認の記事はこちらから:「第3子容認」の中国と日本の少子化対策の共通点)。2023年から各年200万人以上が生まれた中国版「団塊世代」(1963~1975年生まれ)の大量退職が始まり、高齢化と労働力不足も想定以上のスピードで進む可能性が高い。
中国最大の飲料メーカー娃哈哈(ワハハ)集団の宗慶後氏は1月に出演したテレビ番組で「若者は早く相手を見つけて結婚し、子どもを産んで国家に貢献せよ」と呼びかけたが、自身の後継者である41歳の娘も独身のため総ツッコミを受けた。
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