「第3子容認」の中国と日本の少子化対策の共通点 若者たちからは冷ややかな声も聞こえてくる

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長年一人っ子政策を続けてきた中国で第3子を正式に認める(写真:AP/アフロ)

中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会で8月20日、夫婦が第3子を出産することを正式に認める「人口・計画出産法」の改正案が成立し、即日施行された。

政府は今回の法改正で、制限を超える出産に科せられる罰金を廃止し、3人目の子を産むことで経済的インセンティブを付与する方針を打ち出すなど、出産の「容認」から「奨励」に完全に舵を切った。しかし、育児休業や児童手当、医療費支援など中国に比べれば育児支援策が整備されている日本でも出生数は減少の一途をたどっており、効果は不透明だ。

一人っ子政策廃止でも少子化止まらず

少子化が止まらない日本と中国の政策は、どちらも「見通しが甘い」との印象を受ける。子育てを終えた世代であろう政策決定者が、出産適齢期世代の意識や社会環境の変化に気づかず、自分たちの世代の感覚で考えているようにしか見えないからだ。

そもそも中国政府にとっては、2015年の一人っ子政策の廃止こそが「政策の大転換」だった。政府は当時「政策見直しによって(2015年に1655万人だった)出生数は2000万人に増える」と試算してたが、政策効果は2年で薄れ、2020年の出生数は1200万人に落ち込んだ。

政府の試算通りにいかなかった原因は主に2点ある。一人っ子政策が導入されたのは1979年。きょうだいの中で育った1970年代生まれの中国人は「一人っ子はかわいそう」という感覚が強いが、経済成長期の1980年代以降に生まれた世代は一人っ子が当たり前で、大家族=貧しいというイメージが強くなっている。2015年の政策転換時、出産の主力は1980年代、1990年代生まれに移っており、時遅しの感があった。

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