グーグル太っ腹!社会貢献にポンと3.5億円 日本のNPOに巨額の助成金を提供

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――インパクトチャレンジは2013年、英国で実施したのが最初だそうですね。日本で行うことになった理由は。

Googleインパクトチャレンジの受賞者たち

グーグルが日本に根づいた会社であることを明らかにし、社会起業家のイノベーションに対する支援を提供したいと考えているからだ。もともと、2人の創業者は純利益の1%、株式の1%を社会貢献活動に投入することを明言している。

インパクトチャレンジは新しい実験と呼んでいいもの。これまでの受賞団体とは契約を結びフォローアップしているが、なかには失敗したところもある。しかし、それは想定内の一部。われわれは妥当なリスクは取るという姿勢を貫いている。大きなアイデアには実現できないリスクが伴うものだし、さっさと失敗して学んでやり直しなさいというカルチャーがある。

どんどん活動の幅が広がり、実現可能性も高まっている

――助成金以外の支援もあるという話だが。

助成金プラスグーグル、と言っているのだが、グーグルのエンジニアがテクノロジーの実装などに手を貸している。たとえば、ブラジルで水質測定をするNPOに対して、センサーの取り付けなどを手伝った例がある。

インパクトチャレンジを実施する前は、助成金の提供先を個別に探していた。

日本でも、子どもたちにプログラミングを教えるNPO法人CANVASにコンピュータを提供したことがあるが、パートナーを見つけてその活動をスケールアップする取り組みが中心だった。今回、インパクトチャレンジで「どんどん知らせてください」というアプローチにしたことで活動の幅が広がり、実現可能性(フィジビリティ)も高まったのではないか。

――選考作業が大変になったのでは。

社員たちに手伝ってもらった。社内で開発したツールを使いボランティア社員が一定の基準で評価し、スコアリングを行った。そこでトップ30を選び、私たちのチームが細かく評価していくプロセスをとった。

Google.orgは10名強の小さなチーム。基本的にはローカルチームがリードして進めており、今回、女性に焦点を当てたWomenWill賞を設けたのも日本チームの決定だ。私たちがいうイノベーションとは、テクノロジーだけでなく、新しいアイデアなども含んでいる。

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