夫アメリカ、妻日本で「妊活中」夫婦の大胆な選択 「時差17時間」の遠距離婚活から現在まで

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「個人主義が徹底している土地柄なので、仕事終わりに同僚と飲みに行くような雰囲気はありません。僕の同僚はみんな若いので、30代後半で就労ビザ持ちの身では友人ができにくいという面もあります。自然と孤立するので、自分の家庭が欲しいと思うようになりました」

ただし、結婚相手を探すのも難しいと感じている。それには耕平さんの好みも影響している。

とにかく女性が強く、相手がいない

「ここは世界的にもフェミニズムの最先端で、とにかく女性が強いんです。意見がぶつかっても平気で押してきます。大企業のエリート駐在員の日本人女性もいますが、やたらに頭が切れてプライドも高い。僕はパートナーとして彼女たちに見合わないし、世代的にも『女性がそんなに強く出るのはやめてほしい』という考え方です」

そんな耕平さんは日本国内のマッチングアプリに登録することを思いつく。もちろん、アメリカ在住であることは隠さなかった。

「国際ロマンス詐欺が騒がれていた時期だったので、2週間ほどでアカウントを閉鎖されたこともあります。麻衣子と出会えたアプリのアカウントも、2カ月弱で閉鎖されました」

それでも何人かの女性とメッセージの交換やオンライン通話ができた。今度は「日本人的な前置き」に戸惑ったと耕平さんは振り返る。

「空気を読み合う、というのでしょうか。白々しいことを言ったりして。本音でしゃべっていない人が多いと感じました。そういうのは疲れます!」

意見をはっきり言う強い女性も嫌ならば、意見があるのかどうかわからない女性も苦手。耕平さん、ちょっとワガママというか、欲張りな人である。その感想を率直に伝えると、Zoom画面向こう側で麻衣子さんは爆笑、耕平さんはなぜか嬉しそうに苦笑していた。この2人は率直なコミュニケーションを楽しみたいという点で似たもの夫婦なのかもしれない。

「麻衣子は自分を隠すことがなく、真っすぐで誠実な印象を受けました。僕の意見にYES OR NOをはっきり出してくれるのもありがたかったです。社会で活躍していく土台がある女性がいいと思ったので、アプリでは年収200万円以上の女性を検索させてもらいました」

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