夫アメリカ、妻日本で「妊活中」夫婦の大胆な選択 「時差17時間」の遠距離婚活から現在まで

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「出身は四国です。大学は東北にあって、在学中に1年間、香港に留学をしたことがあります。今の仕事が好きなので四国に戻って暮らすつもりはありません。近いうちにアメリカに行くことになりますが、実家の親からは『東京を越えたらどこでも同じ』と諦められています(笑)」

話し方はやさしげだけど、その内容には強い目的意識と遂行力を感じる。新卒で入社して16年間働き続けている会社とその顧客に愛着があり、「いずれは指導側に立つ。最低でも部長になりたい」と願っている麻衣子さん。一方では子どもを2人産んで育てたいという年齢的に待ったなしの人生設計もある。

離婚歴のある麻衣子さんの婚活ストーリー

サンフランシスコの耕平さんは仕事が長引いているのかまだZoomに入って来ない。まずは離婚歴のある麻衣子さんの婚活ストーリーから聞くことにしよう。

麻衣子さんが愛する勤務先は女性向けのサービスを全国展開しており、スタッフもほとんどが女性だという。職場で結婚相手を見つけるのは難しい、と新卒での入社早々に判断した麻衣子さんは結婚相談所に登録。1年後に10歳年上の男性と出会って結婚した。麻衣子さんはまだ25歳だった。

「結婚相手は、何でも私の希望を聞いて、それに合わせてくれる仏様のような人でした。思いやりにあふれているんです。仕事を思い切りやりたい私のために、家事もほとんどやってくれていました」

唯一、麻衣子さんの希望がかなわなかった点がある。その男性は性生活に関してはかなり淡白で、行為自体が好きではなかったことだ。子どもに関しても「できればいないほうが望ましい」という様子。30歳を過ぎてから子どもが欲しい気持ちが高まっていた麻衣子さんとの価値観のズレが大きくなっていった。

「不妊治療で子どもができたとしてもセックスレスが続くようでは私がつらいと思いました。でも、強要するようなことでもありませんし……。先のことを考えて、話し合って離婚することにしました」

目標を掲げて合理的な行動をするのが好きな麻衣子さん。今度は、結婚相談所ではなくマッチングアプリを利用することにした。

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