いったいなぜ「コロナ後遺症」はこうも長引くのか 持続感染で「8日目以降」もウイルスを排出?
ウイルスはこの後、増減を繰り返しながら、減少していったが、最終的にウイルスが検出されなくなったのは、30日目の12月14日だった(下グラフ)。
川上教授はこう指摘する。
「Ct値30以下では周りの人に感染させるリスクがあると見ています。12日目でもウイルスが多く、政府がコロナ陽性者の療養期間を7日間に短縮したのは失敗だったのではないでしょうか。抗原検査キットを無料で配布する自治体もありますが、PCRと比較して精度が低く、Ct値25以上の陽性者を見逃すことがよくあり、『陰性』の結果が出たとしても、注意が必要です」
ウイルスの増減について専門家の見解は
今回のウイルスの増減について、他の専門家はどう見るか。豊橋技術科学大の原田耕治准教授(理論生物学)は「持続的な感染が新型コロナウイルスの特徴」と説明する。
普通の風邪ウイルスであれば、例えば上咽頭(じょういんとう、のどの上の部分)に感染した場合、たいていはそこにとどまり、いずれ免疫に駆逐される。しかし、新型コロナウイルスは感染力がとても強く、上咽頭にとどまることなく、肺やその他の臓器、血管など全身に感染を広げていくことができる。その結果、免疫がウイルスを叩くよりも速く別の感染先を見つけ感染が継続しまう。これが持続的にウイルスが感染する原因と説明する。