東京製鐵は宇都宮工場の操業停止長引くが他工場で増産、製品価格も据え置きへ【震災関連速報】
電炉国内最大手の東京製鐵は、東日本大震災後の計画停電の影響で、宇都宮工場が依然操業停止の状態だ。震災復興を最優先に製品の安定供給を目指し、来月分の製品価格も据え置きを決めた。
東京製鐵の宇都宮工場(栃木県宇都宮市清原工業団地)は、地震発生直後に建屋部分でシャッターが曲がったほか、石膏ボードの剥落や、荷崩れなどで、3月11日から操業が止まっている。現在、設備面の被災状況を確認中だが、計画停電の影響に加え、ガソリン不足による物流の問題もあり、月内の操業再開は難しいという。ただ、在庫については少ないものの、確認が進め、今週にも出荷を再開する見通しだ。
宇都宮工場は、同社のH形鋼の生産拠点。当面は同じH形鋼を製造する岡山と九州で生産を増やし、対応する予定だ。なお、岡山、九州ともに減産を実施していたため、生産余力はある。
また、同社が22日発表した4月売りの製品価格は、H形鋼からホットコイル、厚板まで全製品で前月価格を据え置いた。復興需要の高まりが予想されるが、放射能漏れ懸念から韓国や中国の買いが減ったスクラップ価格の調整もみて、安定供給優先で価格の据え置きを決めたもようだ。
(山内 哲夫 =東洋経済オンライン)
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