1990年代のホンダは、上質さを追求したセダン作りに邁進するようになり、さらに中盤以降は「オデッセイ」「ステップワゴン」「CR-V」「HR-V」など、当時のカテゴリーでいうRVが多くなる。
1991年はいわばその前夜である。自動車好きにとって、ホンダは魅力的な製品をいくつも送り出している。
軽規格のミドシップスポーツ、「ビート」(個人的にはブレードランナーのような映像に原由子の曲を組み合わせたCM好きだった)がひとつ。
もうひとつは、5代目「シビック」(EG型、1991~1995年)。若者をターゲットにした”スポーツ”シビックと呼ばれたモデルだ。元気さがホンダ、という時代だった。
4WS搭載など最新技術を搭載
今回の主題である4代目プレリュードも、このときフルモデルチェンジ。スポーティなスペシャルティクーペとして、新しい市場に向けたモデルだった。
もうひとつ、このプレリュードで特筆してもいい技術が、4WS(四輪操舵システム)の設定変更だろう。
先代のプレリュードが機械式4WSを採用していたのに対して、第4世代では「ハイパー4WS」なる電子制御となった。
それだけでなく、基本的な考え方も変更。従来は、高速で前輪と後輪を同位相に動かすことで仮想ホイールベースを延ばし、車線変更時などの安定性向上に主眼が置かれていた。
4代目プレリュードは、高速時の同位相の切れ角を抑えるいっぽう、低速走行時における逆位相への切れ角を拡大。
ようするに、駐車場など狭い場所での使い勝手向上が目指された。時速30キロまでにおける逆位相の最大切れ角は、従来の5.3度から6度になった。
ホイールベースが2550ミリのクルマで、そこまで必要かと、というのが当時の私の感想。まあ、技術をいろいろ詰め込むのが好きなんだと思うしかなかった。
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