トラック(トレッド=左右タイヤの中心線を結んだ長さ)は、フロントとリアともに45ミリ拡大。
「ディメンション(ボディサイズ)の決定に際して、新しいプレリュードが最も重視したのは、スポーツ性能を高めることでした」とは、当時のホンダの言だ。
ホンダ得意の可変バルブタイミングおよびリフト機構を採用した2156ccエンジン搭載「Si VTEC」車は、最もパワフルなモデル。プレミアムガソリンで、最高出力は200ps、最大トルクは22.3kgf・mに達した。
上記「Si VTEC」車には、ビスカスカプリングを使ったリミテッドスリップデフを組み込み、ハイパワーをできるだけ駆動力に生かそうとしている。
前後ともダブルウィッシュボーン方式のサスペンションシステムも、4代目プレリュードの特筆点。設計が大きく見直された。
快適性を犠牲にせず、足まわりを洗練
「アーム類の取り付け位置や角度を徹底して見直し、数多くの新ジオメトリーを採用。画期的な低ロールセンターを実現」とうたわれていた。
「低バネレート化、ダンパー減衰力とスタビライザーの強化、ホイールストローク量増加」(ホンダ)を含めて、開発者がねらったのは「しなやかなフットワーク」だったそうだ。
ダブルウィッシュボーンをフロントサスペンションに採用しはじめた1980年代のホンダ車は、ストローク感が不足しがちで、快適性が犠牲になっているように感じられたものだ。
1991年のプレリュードでは、そこも”進化”。足まわりの設定がうんと洗練されたように思われたのも発見だった。
1991年のホンダといえば、F1活動がよく知られている。
マクラーレンと組んで、ドライバーにアイルトン・セナを擁し、向かうところ敵なし。1991年もセナは、可変吸気システム採用のホンダ製V12搭載のMP4/6で総合優勝を手中におさめている。
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