インバウンド蒸発から「復活の兆し」の売れた商品 免税購入の構成比が高い店舗で買われているもの

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「のどぬ~るスプレー」などに代表される口腔用薬は、全店で前年比64.3%の伸びに対し、インバウンド店では倍増している。2019年比でも全店で約2割増えており、インバウンド店に限っても7割まで回復している。

感染者数が1日120~130人前後だった1年前の2021年11月22日週と比べると、2022年11月21日週は12万~13万人と1000倍に増えた影響で、国内需要自体が大きく伸びたが、訪日外国人からも人気が高いということなのだろう。

同様の傾向は鎮咳去痰剤、強心剤、総合感冒薬といった、コロナ前からインバウンド需要が高く、かつコロナ感染時に必要になる医薬品にも見られ、全体の伸びをインバウンド店の伸びが大きく上回る現象が起きている。

もっとも、いずれもコロナ以前の水準との比較では5割、6割。この水準を「まだ5~6割しか」と考えるか、「もう5~6割も」と考えるかは評価の分かれるところだろう。

「検査キット」が急伸したワケ

正月恒例の箱根駅伝の沿道観戦者数が、前年の60万人からさらに増えて91万人となり、ピーク(120万人)の75%まで戻るなど、世の中はウィズコロナからアフターコロナモードに移行しつつある。その一方で、新規感染者数は昨年12月半ば頃からおおむね1日20万人の水準が続いている。

発熱時に医療機関に問い合わせると、まず聞かれるのが体温と、市販の「検査キット」を利用したかどうかだ。パルスオキシメーターを持っているかどうかも聞かれるが、重症化リスクがなければ買えとは言われない。

実際に医療機関で診察を受け、陽性判定が出ると、重症化リスクがない感染者には風邪関連の薬が処方される。7日間の自宅療養期間中は毎日、自治体から体温など健康状態確認の自動音声電話がかかってくる。

この流れの中では、検査キットや、接触型の体温計、それも検温速度が早いタイプや水洗いできるタイプへの買い替えや、1人1本への買い増し需要が増えるのは当然だろう。

医療用検査キット、接触型体温計ともに生産が追い付き、供給が安定したことも数値を引き上げている要因だろう。

昨年は夏場に感染者数が1日26万人を突破した。例年冷房の季節になると増えだす感染者数。今夏は果たしてどうなるのか。コロナとの付き合いはもうしばらく続きそうだ。

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