山手線渋谷駅「ホームが1つ」になった工事の全貌 スクランブル交差点近くのガードも桁を移動

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山手線渋谷駅の工事
深夜に道路を一時通行止めにして行われた山手線渋谷駅の線路切り換え工事(記者撮影)
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100年に一度といわれる大規模再開発が続く渋谷。街の玄関であるJR渋谷駅も、遠く離れていた埼京線のホーム移設や2日間の運休を伴う山手線の線路切り換えなど、ここ数年大がかりな改良工事が続いてきた。そして2023年1月9日、昭和から長らく同じだった山手線ホームの形が大きく変わった。

JR東日本は同6日夜から9日始発までの間、これまで別々だった山手線渋谷駅の内回り(目黒・品川方面)と外回り(新宿・池袋方面)のホームを一体化するための線路切り換え工事を実施した。3連休のうち丸2日間、外回り電車の大崎―渋谷―池袋間を運休。作業時間は約53時間30分で、山手線の工事としてはJR発足後最長だった。

従来の内回りホームを拡大

山手線の渋谷駅はこれまで、外回りのホームが西側の線路外側に、内回りのホームが外回りと内回りの線路に挟まれた場所にある「2面2線」の構造だった。2つの線路に挟まれた内回りホームの幅を拡げ、外回りと共用の「島式」ホームにするのが今回の工事の目的だ。

JR渋谷駅は2018年5月の埼京線線路切り換えを皮切りに、線路やホームの移設など駅の形を大きく変える改良が続いている。2回目となる2020年5月30日・6月1日の工事では、埼京線のホームが山手線と並ぶ位置に移動した。3回目の2021年10月には、山手線のホーム一体化に向けて内回り電車を2日間運休し、同線のホームを拡幅した。今回の工事は4回目にあたる。

JR東日本首都圏本部によると、1月上旬のこのタイミングに実施したのは翌週以降に始まる入学試験などのスケジュールを考慮したのが理由だ。もし実施できなかった場合の予備日程は4月14~17日とかなり離れていたが、これも「入試などへの影響を考えたため」という。

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