そうして新大阪にたどり着き、いよいよ大阪行脚だ。といっても、新大阪に降り立った場合、それほど選択肢はない。
1つは、JR京都線・JR神戸線(東海道本線)だ。新快速にでも乗れば、あっというまに大阪府内をすっ飛ばして京都・神戸へと駆けていってしまう。新快速が停車する大阪府内の駅は、大阪・新大阪とあとは高槻だけである。
新大阪からJRを使うことにこだわるならば、ほかにおおさか東線という手もある。もともとは貨物線という意外な歴史を持つこの路線は、2019年に新たに新大阪に乗り入れるようになった新参者だ。が、侮ることなかれ。
文字通り、大阪東部を走るおおさか東線は、鴫野・放出という難読駅でJR学研都市線と結ぶほか、町工場の町・東大阪市内では地下鉄の中央線、近鉄の奈良線・大阪線などと接続。本数は少なめで使い勝手は微妙だが、久宝寺からそのまま大和路線に乗り入れて奈良に向かう直通快速も用意されている。
将来カギになる路線?
そしてさらに、2023年3月に開業予定の大阪駅の地下ホームに乗り入れることも発表済みだ。もしかすると、これからの大阪の鉄道ネットワークにおいて、カギになる路線はおおさか東線、なのかもしれない。
このように、新大阪からJR線に乗る選択を採るならば、おおよそ新快速で東西に動くか、おおさか東線で東大阪に向かうか、というくらいなものだ。
もう1つ、新大阪からは地下鉄御堂筋線という手もある。御堂筋線は、1933年に開業した日本で2番目の地下鉄路線。太平洋戦争前に開通したのは梅田―淀屋橋―心斎橋―難波―天王寺間だけだったが、いまもその沿線が大阪の中核的な街なのだから、開業以来の大阪市内の大動脈、ということになる。
つまり、新大阪から御堂筋線に乗り継げば、大阪のど真ん中のオフィス街から官公庁街、繁華街まで1本で行くことができるというわけだ。新大阪で案外に御堂筋線に乗り換える人が多いのは、まったく自然の成り行きなのである。
また、反対の北側に行けば、途中で北大阪急行に乗り入れて、北摂の千里丘陵に広がる千里ニュータウンへ。目下、千里中央からさらに北に延びて箕面萱野まで延伸する工事が進められていて、2023年度末には開業予定だという。
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