また、テクニカル分析を利用するのは、資金効率を上げるためです。
チャートを見て、新高値圏でのBOXから上に抜けた銘柄を選ぶと、上値が軽いので買った瞬間に上昇しやすいのがメリットです。株式投資を実践している人の中には「買ったのに上がらない」「買った途端に下がってしまった」といった経験を持つ人も多いと思いますが、通常の相場環境では、しかるべきブレイクポイントで買うと、こうした状況に陥る可能性は低くなります。
テクニカル分析を利用するメリットはもう一つあります。それはローリスクエントリーポイントを見極められることです。言い換えれば、テクニカル的な下値が限られており、優位な損切りポイントが近いことを意味します。
いったん新高値をブレイクすると、ブレイクした新高値のラインが下値支持線(サポートライン)となるケースが多くなります。
サポートラインまで株価が下がると反発しやすくなりますし、サポートラインを割り込んでしまった場合でも、優位な損切りラインを利用して損切りを10%以内に抑えることにより小さな損失で撤退することができます。
新高値ブレイク投資法は業界の負け組を排除できる
日本の株式市場には、約3800銘柄が上場しています。この中で新高値を更新する銘柄は限られています。相場環境にもよりますが、少ないときで1日当たり数十銘柄、多いときで500銘柄を超えてきます。
つまり、母集団の3800銘柄からすれば、新高値銘柄は非常に限られたエリート銘柄と考えられます。
新高値銘柄は過去1年ほどの期間の中で株価が最も高い位置にいますから、上昇トレンドが継続していて、今後も上がる可能性がある銘柄といえます。
それ以外の銘柄は下落トレンドであったり、横ばいだったりします。
具体的な銘柄を見てみましょう。
上が日本ホスピスHD(7061)、下がアンビスHD(7071)の株価の動きです。いずれも2019年のIPO(新規株式公開)銘柄です。それぞれ新規上場から2022年の10月までの約3年間の週足チャートです。どちらに投資すべきかは一目瞭然です。日本ホスピスは、上がってもボックスから抜け出すことができずに3年超にわたって横ばいで推移しています。
一方、アンビスは、新規上場した2019年の10月から2年2カ月で株価が約6倍になりました。この間に日経平均株価の上昇率は30%ほどしかありませんので、いかにアンビスの上昇率が圧倒的だったかがわかります。
日本ホスピスもアンビスも東証33業種では同じサービス業に分類されており、双方とも終末期医療を担うホスピス事業を営む競合同士です。しかし、投資対象として見た場合、日本ホスピスは完全に負け組、アンビスが圧倒的な勝ち組といえます。
(編集部注:本記事は特定の株式の購入を推奨するものではありません。株式投資は、さまざまなリスクを正しく認識したうえで、ご自身の判断と責任に基づいて行なってください)
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