データが示す「団塊ジュニア」悲劇の世代の4苦難 これから訪れる「過去最大の試練」に備えよう
リクルートワークス研究所の「シニアの就労実態調査」では、仕事に対するモチベーションを「①他者への貢献」「②生活との調和」「③仕事からの体験」「④能力の発揮・向上」「⑤身体を動かすこと」「⑥高い収入や栄誉」の6つに分類し、それらのモチベーションが各年代でどのように変化するかを分析しています。
この調査結果を見ると、50代前半のスコアがすべてマイナスに転じています。
これは、今まで「高い収入や栄誉」を追い求め続けてきた社内出世競争に限界が見えて、キャリアの価値観を変更せざるを得ない「試練」に直面している時期とも言えます。また自身の身体が老いてくると同時に、親の介護が始まる精神的にもつらい時期に重なります。メンタル面でも50代は注意しなければいけない年代なのです。
「転職者が増えている」のは若い年代だけ
2つ目の苦難は、「転職できない」問題です。
会社の現実から逃れるように、新天地を求めて「早期退職」制度を利用して、転職を試みる人もいるかもしれません。
しかし、現実はそれほど甘くはありません。これほど転職が一般的になってきたとはいえ、年代によって転職の難易度は大きく差があります。厚生労働省の「令和2年 雇用動向調査」によれば、1年以内の転職者の割合を示す転職入職率は、男性の場合、20代後半12.4%、30代前半11.1%に対して、50代前半では半分にも満たないわずか4.2%というシビアな数字があります。感情先行の安易な退職は注意が必要です。
これは転職エージェントから聞いた話です。大企業の部長職にあった人が50代半ばになり不本意な役職定年になりました。そろそろ今の会社も潮時だと思い、社会人になって初めて転職活動をしたそうです。
「少し待遇は下がるかもしれないが、すぐに決まるだろう」とたかをくくっていたところ、500社に応募して面接まで進めたのはわずか5社。しかも条件は今の給与の半分以下ばかり。それでも内定まではたどり着かず半年経っても転職のメドは立たないまま。「こんなにも厳しいとは」と途方に暮れているそうです。
3つ目の苦難は、「退職金の減少」問題です。
転職せずに会社に残る判断をしたとしても、退職金給付額は年々減少しているようです。