東洋ゴム、「免震データ偽装」さらに拡大か

新たに195棟へと対象を拡大し調査開始

3月25日の記者会見で新たに195棟への調査拡大を表明し、頭を下げる東洋ゴムの伊藤常務執行役員(撮影:共同)

東洋ゴム工業による免震ゴム「データ偽装」問題に対し、さらなる拡大のおそれが出てきた。同社が3月13日に不適合(性能不足)な免震ゴムが納入されたと公表した「55棟」以外でも、新たに不正がなされたと疑われる製品がある、と25日になって発表したのだ。

改めて偽装の対象となったのは、55棟とは別に、「195棟」に納入された免震ゴム。東洋ゴムが調査を依頼している大手法律事務所が、高減衰ゴムの担当者にヒアリングしたところ、他にも数値を改ざんした製品がある可能性が浮上した。

大阪市で記者会見に臨んだ伊藤和行・常務執行役員は、「弊社によるヒアリングの仕方がまずかったと思う。情報をキャッチできておらず、他の製品まで調査が及ばなかったのを反省している」と弁明した。

特に疑われているのは129棟

対象となる195棟のうち、疑いが強いのは、すでに不正の確認された高減衰ゴムとは、別タイプの製品が使われている129棟だ。このうち51棟を調べたところ、製品出荷の検査段階におけるデータ改ざんが疑われる例が出てきたという。国土交通省住宅局建築指導課によると、東洋ゴムから24日になって、「新たな不正の疑いが出てきた」という報告があった。

不正の疑われている129棟に使われた免震ゴムは2613基で、1996年8月から2015年1月までに納入されたものだ。東洋ゴムは2~3週間で、129棟全ての検証を終えたい、としている。この129棟を含め、免震ゴムの全納入先195棟についても、網羅的に検証すると発表。195棟の中には、重要文化財である大阪市中央公会堂が含まれていることが、明らかになっている。

また、先に不正が明らかになっている55棟については、「震度5強の地震では倒壊のおそれがない」という調査結果を、東洋ゴムが発表した。国交省としては、震度6強~7クラスの地震に対する安全性について、3月末をメドに報告するよう、同社に求めている。

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