ドミノピザ「注文殺到で大混乱」に抱く最大の懸念 過度な現場負担は企業イメージの悪化に繋がる

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「サッカー観戦と悪天候が重なったためか、たくさん多くのご注文をいただけたのですが、一部店舗で、ピザサンドのパンが不足してしまったのが原因です。このため、約224店舗にて、ピザサンドの販売を一時停止させていただきました」(11月24日発表のプレスリリースより)

同社のホームページによると、日本のドミノ・ピザの店舗数は900店(2022年3月)。およそ4分の1の店舗で一部商品が売り切れた計算となり、いかに盛況だったかが伝わってくる。

スシローは「おとり広告」が問題になった

同じ問題を何度も繰り返すドミノ・ピザを見ていると、「再発防止策が本当に打たれていたか? 打たれていたとしても根本解決がなされておらず、実効性に乏しいのではないか」と思ってしまう人は少なくないだろう。また、ドミノ・ピザのような大手外食チェーンは消費者にとっても馴染み深い存在のため、SNS上で問題や騒動が可視化、記憶として残っていきやすい面もある。SNS時代の今はとくにそうだ。

だが、残念ながら店舗数が多く、本部と現場の距離が生まれやすい外食チェーンでは、このような問題が起きやすいようだ。とくに、2022年はドミノ・ピザのみならず、「またか」と感じざるを得ない事案が珍しくなかった。たとえば回転ずしチェーンの「スシロー」だ。

6月、おとり広告が大きな問題となった「スシロー」(撮影:今井康一)

消費者庁は6月9日、「スシロー」を展開する、あきんどスシローに対して、景品表示法に基づく措置命令を行った。同社は2021年に「うに」や「かに」をメインに据えたキャンペーンを展開したが、広告出稿したにもかかわらず、多くの店舗で該当商品が提供されていない期間があったとして、「おとり広告」だと判断されたのだ。

これを受けて、あきんどスシローは7月8日、消費者庁への改善案提出や、調査報告書に基づく体制構築、そして「コマーシャルなどにおけるキャンペーン商品は、期間全日で販売が継続できるよう計画販売をしております」などと発表した。

しかし、数日後に始まった「何杯飲んでも『生ビールジョッキ』半額キャンペーン」で、またも混乱が起きてしまう。キャンペーン開始は7月13日だったが、一部店舗で、前日までに店内に告知が掲示されていたのだ。注文したネットユーザーが、割引対象にならなかったと明かしたことで、「おとり疑惑」が拡散して炎上を招いた。

最終的に、期間外に掲出されたポスターを見て注文した客に対しては、購入店舗へのレシート持参で、差額の返金対応を行ったが、どれだけの客が会計時にチェックしていたか、レシートを保存していたか、という疑問は当然ながら残る。

その後も、メバチマグロの代わりに、仕入れ値の安いキハダマグロを使用していた事案が判明。一連の不祥事を受けて、あきんどスシローは11月、キャンペーン商品の販売総量の明示や、期間中の品切れは公式アプリやサイト、店頭の受付画面などで「簡単かつわかりやすい形」で伝えるという再発防止策を発表した。

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