ドミノピザ「注文殺到で大混乱」に抱く最大の懸念 過度な現場負担は企業イメージの悪化に繋がる
しかし、業界内の事情を知らない一般人にとっては、やはり一番印象的なのは、その攻めたプロモーションだろう。たとえば6月には、「Lサイズのピザを持ち帰ると、Mサイズが2枚無料になる」というキャンペーンを実施。ネット上で大きな話題となった。
だが、完全にうまくいったかと言うとそうではない。安価なプレーンピザ(Lサイズ)を頼むことで、2000円程度で3枚分を購入する、という方法が「裏ワザ」的に広まり、この注文をする人が殺到したため、同商品がキャンペーンの対象商品から除外されたのだ。キャンペーン開始翌日の条件変更だった。
当時、公式ツイッターでは、謝罪とともに「ドミノ・ピザ クルーが最大限のフル回転で対応してまいりましたが、ご注文が殺到し、注文に追いつくことが出来かねております」と釈明。消費者からは今回同様、「クルーの方には感謝しかありません」「現場スタッフが一番かわいそう」といった声が届いていた。
注文殺到に対応しきれなかった
7月には「リベンジ」として、2枚無料キャンペーンを再開。前回の1.4倍超の注文があった一方で、終了後には十分対応できない場面もあったと振り返っている。
「なんとか、ギリギリでピザ生地、ピザボックスの不足は起こさずにすみましたが、人員面では困難に直面せざるを得ませんでした。さらに、リベンジ企画時と状況が異なり、コロナ第7波の急拡大の影響で、急なクルーの欠員が出てしまう店舗もあり、人員体制がより厳しい状況となってしまいました。このため、ピザのお届けにお時間をいただいてしまうケースや、一時的ではありますが、デリバリーオーダーをストップする事態を引き起こしてしまいました」(8月10日発表のプレスリリースより)
3度目の正直となった、10月の「2枚無料」は、人員増強によりおおむね順調だったようだが、開始2日目の朝に「テレビ2局でこのキャンペーンが報道されたこと」を理由として、約10分間のサーバーダウンを起こしている。
11月には、好きなピザやパスタ、ピザサンド、ポテトフライを1品買うと、同種の商品が1品100円となる「ドミノの100円WEEK!」を開催。しかし対象商品であるピザサンドが売り切れ、提供できない店舗が続出し、こちらも謝罪に至った。品切れとなった11月23日に、サッカーワールドカップ(W杯)の日本対ドイツ戦が行われたことなどが理由だという。
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