冷凍母乳が売れる!期待と不安の製品開発

低体重児の栄養補給や腸疾患に効果あり?

高レベルタンパク質を含むプロラクタの製品 (写真:Monica Almeida/The New York Times)

プロラクタの製品は、出生時の体重が1250グラム未満で、大人の手のひらに収まるほどの大きさの赤ちゃんを対象としたものだ。こうした小さな乳児には、母乳から得られる以上の栄養が必要となる。

プロラクタが製造するのは、高レベルのタンパク質を含む強化剤で、母乳の栄養を補充するために使われる。価格は1オンス180ドルで、赤ちゃん1人当たりでは、通常数週間で1万ドル分程度を消費する。その代金は、親ではなく病院か保険会社が払うことが多い。

「使いたいが高価すぎる」との声も

しかし、すべての医師が納得しているわけではない。その製品を使いたいが価格が高すぎるという医師もいる。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の医師、ジェイ・H・キムは「そのコストは呆然とするほど高い」と話す。

キムによると、彼の病院では赤ちゃん全員分の母乳をドナーから入手するのに、年間でせいぜい2万5000ドルしか使わないという。しかし、もし年間50~70人の超低出生体重児だけにプロラクタの強化剤を追加で与えたとしても、コストは50万ドル以上となる。

たくさんの製品を保管するプロラクタの保存庫(写真:Monica Almeida/The New York Times)

ロサンゼルス郊外に1800万ドルかけて建てられたプロラクタの工場では、届いた母乳はウイルスの感染やニコチン、中毒性のある薬が検出されないかテストされ、牛乳で希釈や改質が行われていないか検査される。

母乳を提供する女性は感染症の罹患がないか調べるため血液検査を受け、本人も子どもも健康であることを証明する医師からの書類を提出しなければならない。さらに、母乳が本人のものであることがわかるよう、DNAのサンプルも提出する必要がある。

「どんなビタミン剤を飲んでいるかすら、報告しなければならない」と、アマジャは言う。

(執筆:Andrew Pollack 記者、翻訳:東方雅美)

(c) 2015 New York Times News Service

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
  • 小室淑恵 「覚悟の働き方改革」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
菅新政権が誕生しても<br>「安倍時代」は終わらない

牧原出氏執筆の連載「フォーカス政治」。9月16日に菅新首相が誕生しましたが、施策の基本線は「安倍政権の継承」。惜しまれるように退任し、党内無比の外交経験を持つ安倍前首相は、なお政界に隠然たる影響力を保持しうるとみます。その条件とは。

東洋経済education×ICT