フィリピンの謎「モノづくり苦手」でも急成長の訳 マルコス政権下では「輸出主導型の工業化」に失敗
王国とそれに伴う封建制は、宮廷料理を発展させ、料理職人を育てることによって国全体の料理の質を高める。
しかし、フィリピンの場合、むしろ受け継がれてきた民族料理の伝統が、アメリカの植民地支配下での缶フード文化によって壊されていったように感じる。洗練されるのは今後だろう。フィリピン人はミリ以下の単位で寸法が一致するような細かい工芸品を作ることが苦手だが、その反面、陽気で人当たりがよくサービス業には向いている。
サービス産業特化でいいのでは?という声も
最近は経済の専門家やフィリピンの日系企業関係者から「もうフィリピンはサービス産業特化でいいんじゃないか」「サービス産業こそがフィリピンの強みを最も発揮できる」との声も聞くようになった。
IT関係のサービス業も今後のフィリピンでは期待できる業種だろう。IT関係の技術習得には英語力が必要な局面が多いからだ。
ドゥテルテ政権下では、ややダーティーな側面を持つ産業ではあるが、外国資本のオンライン賭博産業の受け入れも進めた。進出してきたのは中国のオンライン・カジノ業者が圧倒的に多く、7割近くを占めている。
仕組みはさまざまあるが、最も多いのが中国人客を対象にしたバーチャル・カジノと呼ばれる形式で、ビルのワンフロアを借り切り、実際にカジノを造る。そして、バカラなどのゲームをディーラーが仕切ってやる。
客の代わりにプレーをするのは、客とオンラインで結ばれた多くが中国人女性のプレーヤーで、客は電子マネーやクレジットカードを使って賭け金を払い、勝てば電子マネーや銀行送金などで賞金を受け取る。
客の多くは中国本土にいる中国人だ。フィリピン人はディーラー役や通信管理などの裏方で雇われている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら