緩和修正で崩壊「インデックス投資最強説」の死角 「みんなが買っているから」に潜む落とし穴

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――結局、私たちはどうしたらよいのか。

香月:たしかに、アクティブ型の運用力は個々の商品設計や投資判断の責任を負うファンドマネジャーの力量に大きく左右される。実際のところよほど知識がない限り、投資初心者にとってその良し悪しを判断することは難しい。

事態をさらに厄介にしているのは、アクティブ型を名乗りながら実態としてはインデックス型と同じ投資手法を用いるクローゼットインデックス投信、いわゆる隠れインデックスの存在だ。海外では情報開示が徐々に進んでいる一方、日本では規制が遅れ、隠れインデックスの組成、販売がいまも横行している。

プロにアドバイスを受ける経済的余裕のない投資初心者が自力で良質なアクティブ型投信を見分けられる環境を整えるためには、国内に固有のこうした制度的な課題を解消する必要があるだろう。

インタビューを終えて

香月氏のインデックス型、アクティブ型に対する評価は、同氏の職業的立場を考慮しても頷けるところがあった。インデックス投資は貯蓄から投資への資金移転を促す政策との親和性が高い一方、運用の効率性の追求とは別問題であるという考え方は納得できた。

ただし私自身は、インデックス投信の積み立てを継続するつもりだ。なぜならアクティブ投信の運用力の優劣を正確に見極める自信も、目利きのプロにアドバイス料を支払う資金的余裕も、残念ながら私にはないからだ。

香月氏が指摘するように、アクティブ型に関する情報公開制度の整備が進んでいない日本に住む私のような非富裕層にとって、インデックス投資の他にほとんど選択肢が見当たらないという状況にこそ問題がありそうだ。

川辺 和将 金融ジャーナリスト

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かわべ かずまさ / Kazumasa Kawabe

金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社入社後、長野支局で事件、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融業界誌の当局取材担当を経て22年1月に独立。金融市場の発展を促す政策の動向とその課題について官民双方の取材を続けている。東京大学大学院総合文化研究科(比較文学比較文化研究室)修了。

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