2022年「視聴者に刺さったCM」に見たスゴイ変化 ニューノーマル定着で生活者の意識変化を反映

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続いて紹介するのは、Mobility Technologiesのタクシーアプリ『GO』。「どうする?GOする!」のコピーのもと竹野内豊が“剛田部長”を演じるCMシリーズに、部下役として石井杏奈を起用。日差しの強い日にふたりが日陰を歩いて移動するも行き詰まり、GOで手配したタクシーに乗り「涼しい~」と声を上げるCMが好調で、2022年8月度に初のCM好感度総合トップ10入りを果たした。

そのほか移動方法を思案するあまり商談に身が入らない竹野内に気付いた石井が同アプリでタクシーを手配する作品、料金を乗車中に決済できることに竹野内が驚く作品などもヒット。新キャストの起用や季節感を取り入れたストーリーをフックに、ビジネスパーソンだけでなく主婦など幅広い世代の共感を集めた。

同社によるとテレビCMを起点に、ウェブ広告やタクシー車体ラッピング、車内広告といったOOH、ポスティングなどのリアルメディアなどを活用し、移動時のサービス想起を狙うプロモーションを展開した結果、サービス開始から2年で1000万ダウンロードを突破し、同社が展開するタクシーアプリ全体での月別配車回数は2019年に比べ4倍以上を記録したという。

その他の「消費者を動かしたCM展開 特別賞」の顔ぶれ

本年度の「消費者を動かしたCM展開 特別賞」には、当たり前の日常を見つめ直すCMを展開した『アサヒ生ビール』、『BOSS』といったブランドとともに、2020年誕生のタクシーアプリ『GO』、2022年の新商品である任天堂『スプラトゥーン3』、『日産サクラ』などの新しい商品・サービスのCMも入った。

特別賞の顔ぶれを見ると、木村拓哉がかまいたちや段田安則らと共演する日本マクドナルド『ひるまック』など、ビジネスパーソンのコミカルな掛け合いを描くCMが目立った。松本人志と山田孝之が社長と社員を演じるリクルート『Airワーク 採用管理』、滝藤賢一と横澤夏子が経理部の社員を演じるラクス『楽楽精算』も好評で、BtoB向けサービスのCMに勢いがあった。

このほか、インパクトのある楽曲やアニメが話題となったCMも選出された。日清食品『カップヌードル PRO 高たんぱく&低糖質』は眉村ちあきの『顔ドン』の替え歌と“はじめまして松尾です”氏によるアニメで展開するCMシリーズがヒット。松屋フーズ『松屋』は『マツケンサンバⅡ』の替え歌“マツベンサンバ”をBGMに、金色の着物姿の松平健が大勢の人と歩く作品を放送し、約7年ぶりのCM展開が反響を呼んだ。

関根 心太郎 CM総合研究所 代表

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せきね しんたろう / Shintaro Sekine

1973年生まれ。1999年株式会社東京企画/CM総合研究所に入社。システム開発・データベース構築の責任者を経て2014年より現職。消費者3000人を対象としたCM好感度調査を中心に、テレビCMの広告効果測定および研究分析を実施。このほか企業へのコンサルティングや情報提供を通して、広告活動の最適化に向けた課題解決のサポートを行っている。

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