2022年「視聴者に刺さったCM」に見たスゴイ変化 ニューノーマル定着で生活者の意識変化を反映

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

クボタは父と娘の約束をテーマに、日本の農業の後継者問題をエモーショナルに描くCMがヒット。カーボンニュートラルへの取り組みが求められる自動車業界からは、日産『日産サクラ』が松たか子を起用したCMでフルEVの軽自動車の登場をアピールした。コーセー『雪肌精』は羽生結弦が「雪肌精に男性用はありません」と伝えるCMを放送。新垣結衣の出演作も展開し、いずれも性別や年齢を問わず使用できることを印象づけた。

新垣結衣「おつかれ生です。」CMの影響力

CM総合研究所は消費者3000人を対象とした月例CM好感度調査に基づき、優れたCM展開で業績の向上に貢献した「消費者を動かしたCM展開」151銘柄を発表した。また、そのうち「時代性」「話題性」「影響力」に優れ、本年度を象徴する10銘柄を「消費者を動かしたCM展開 特別賞」に決定した。 

今回は「消費者を動かしたCM展開 特別賞」より、2ブランドのCMを紹介する。まずひとつ目は、アサヒビール『アサヒ生ビール』。同社ブランドとして最高位のCM好感度総合4位につけ、『スーパードライ』とともにアルコール業類のワン・ツーを飾った。

竹内まりやの『元気を出して』をBGMに、新垣結衣がグラスに注いだ商品を手に「おつかれ生です。」と優しく語りかけるシリーズCMが好評価を獲得。2022年元日スタートのCMではリラックスした表情で商品を味わう新垣や飲食店のぬくもりある雰囲気を回想するシーンをエモーショナルに描いた。

2月に発売された『アサヒ生ビール黒生』のCMも好調だったほか、7月開始のブランドのアイデンティティーを表現したCMでは、お店の大将らと新垣のやり取りを通して“人と人とが集まるぬくもり”を表現。こうした展開が奏功し、CMに好感を示した人のうち約9割が商品を「ためしてみたい」または「いま愛用している」と回答した。

同社によるとブランドの魅力を体現したCMの反響は大きく、年間販売目標630万箱に対し、1~10月に500万箱をすでに販売。「黒生」も販売目標を2度にわたって上方修正し、10月末時点で160万箱の販売を達成したという(※1箱は大瓶 633ml×20本で換算)。

次ページ「どうする?GOする!」のCM
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事