岸田首相の増税表明方針「順番が違う」異論の声 自民・佐藤氏「防衛力強化は先に説明が必要だ」

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以下、番組での主なやりとり。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):中国警察の「海外派出所」とみられる施設が東京都内にも存在しているとの指摘がある。
中国警察が日本国内で活動しているかもしれない状況について、日本政府はどこまで実態解明に乗り出しているのか。

中国警察が日本国内で活動している?

佐藤正久氏(自民党参院議員・元外務副大臣):公安を中心に動いているのは周知の事実だ。スペインに拠点を置くNGOの報告書は、中国の地方の公安部が海外に警察拠点を置いていると指摘しており、東京と名古屋の地名もある。実際は公安部だけではなく、共産党中央統一戦線工作部、退役軍人事務部、人民検察院などが海外に拠点を置いている。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):情報を収集する機関を他国に置くことは世界各国がやっている。日本はこれから防衛強化に向けて防衛費を増額するが、情報がないと防衛などできない。中国人だけでなく、日本人に対しても脅迫をしているのは言語道断だ。本来、日本もこれから海外で情報収集活動をやっていかなければならない。今回の事例だけでなく、他国が日本国内でやっているスパイ活動、違法な情報収集活動に対しては、きちんと対処できるような法律が必要だ。防衛予算を増額するだけではなく、そこがものすごく重要だ。

佐藤氏:それに関して今、ワーキングチームで検討しているが、法律はまだない。陸海空自衛隊で認知戦を含む情報部隊を強化する方向性を今回打ち出す。しかし、その基盤となる法律がないため限界がある。現場は法律内で対応するが、やはり限界があるのは間違いない。

橋下氏:今回の中国のこういう活動に関して、きちんと対応できるような法律をつくるべきだ。

櫻井よしこ氏(ジャーナリスト、国家基本問題研究所理事長):中国がこの公安活動とともにやっているのは、まさに三戦だ。輿論戦、心理戦、法律戦だ。例えば、先月、台湾の統一地方選挙で蔡英文総統率いる対中強硬派の与党・民進党が大敗したが、前回20年の総統選挙時には1年間で約14億回のサイバー攻撃が行われた。今回、選挙時の回数はまだわからないが、それ以上のものがあってもおかしくない。日本でも今後、サイバー攻撃に関するルールが変わると思うが、われわれだけがおとなしくしていれば世界はいいのだという考え方は、もうまったく通用しない。積極的にヒューミント(人的諜報)で情報を取りに行く。中国警察の日本国内での活動に対しては明白な国家の意思を示し、「許さないよ」という立場に立たないといけない。

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