人気職種コンサルタントが顧客社員に嫌われる訳 「経営者には好かれる」という捻れが生む溝

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コンサルタントは経営者には頼られても、顧客社員には疎ましがられることも(写真:ふじよ/PIXTA)

近年、DXやコロナ対策の公的支援で、コンサルタントを起用する企業が増えています。また、コンサルタントという職業が、大学生の就職や若手社会人の転職では「知的なエリート」として、中高年の起業では「経験を生かせるプロフェッショナル」として人気です。

一方、コンサルタントについて、「役に立たない」「プライドが高くて付き合いにくい人種」「胡散臭くて、信用できない」といった批判・嫌悪をよく耳にします。コンサルタントが企業の不正に積極的に加担する事件も増えています。

今回は、コンサルタント歴20年の筆者が、自戒を込めてコンサルタントが嫌われる理由とコンサルタントのあり方について解説します。

自分は優秀で、高度な仕事をしているという勘違い

経営者と社員では、コンサルタントへの感情が大きく違います。経営者は、基本的にコンサルタントが大好きです。知的な話を聞かせてくれるし、金を払えば自分の言うことを「ハイハイ」と聞いてくれるからです。
一方、コンサルタントと一緒に仕事をする経営企画部門などの社員は、たいていコンサルタントのことが大嫌いです。

「億単位のコンサルティング料を払いましたが、2年に渡って会社を引っ掻き回しただけで、何の成果もありませんでした。コンサルタントって、まったく無意味な存在です」(電機・経営企画部門)

「当社に来た30歳そこそこのコンサルタントは、異常にプライドが高く、我々のことを『レベルが低い』『頭を使え』と公然と馬鹿にしていました。まったく鼻持ちならない若造でした」(エネルギー・営業部門)

「口では『クライアント・ファースト』とか言っていましたが、常に自分中心で、我々の利益をまったく考えていませんでした。友達にしたくない人種の典型です」(物流・新規事業開発部門)

コンサルタントが社員から嫌われるのは、こうしたNG行動に加えて、次の2つの勘違いがあるように思います。1つは、自分はクライアントの社員よりも優秀だという勘違いです。

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