【産業天気図・非鉄金属】高原市況が続けば前期並み利益確保も。ただし素材系とIT系で明暗くっきり
●お天気概況
銅、ニッケル、金の総合非鉄大手である住友金属鉱山の前2004年度連結経常利益は545億円(前期比約2倍)となった。銅、ニッケルが中国やインドの買い漁りで世界的に品薄になり市況が高騰した恩恵を受けている。在庫評価益111億円も寄与した。市況高騰により3月末の保有資源価格は3兆円と前年比1兆円も増えた。日鉱金属の04年度連結経常利益は464億円(前期比3.4倍)となった。銅市況高騰の恩恵だ。チリなど海外での銅鉱山会社の利益が急増したほか、亜鉛、パラジウムなどの市況上昇も寄与。ただ三井金属、日立電線などIT関連の電子材料の比重が高い企業は、04年度上期はブームで恩恵を受けたが、下期からは失速している。
●今後の注目点
04年に急騰した銅、亜鉛、ニッケル、金の国際市況はピークからやや反落したが、まだ高値圏にある。中国、インドなど新興国での需要が強く、供給が足りない状態が続いているからだ。住友金属鉱山は05年度の経常利益を490億円と在庫評価益を除いて実質増益を予想。日鉱金属は銅価下落、円高、在庫評価益消滅などで同360億円と減益を予想しているが、「現在の非鉄市況、為替が続けば04年度並みの利益が出る」とも。電子材料は上期調整、下期に回復を見込んでおり、日立電線は増益になるが、三井金属は加工品の原燃料高で減益予想だ。
【内田通夫記者】
(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部
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