人間関係の「お片付け」を春先にやるべき理由 いま蓄積されるストレスが「五月病」を招く

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具体的には、相手から連絡が来た場合に、「また連絡が来てる。面倒だけど、断るのも悪いから返事だけはしてる」「嫌だけど、一応、昔からの友だちだから……」というような気持ちにさせる人たちです。

カウンセリングでも、実は身近な友人、知人との付き合いに悩む相談はとっても多いのです。トゲのあるひと言や嫌味に翻弄されたり、気持ちを揺さぶられたり。また、逐一意見を求められる、SNSに反応しないと機嫌が悪くなるなど、依存されているケースもあります。怒りや不満を持ちながら、表面を取り繕い、神経をすり減らして付き合っていることも案外多いものなのです。

関係性の中で起こる怒りや不満は、価値観の違い、心理的な上下関係が生じている証拠。違いを認め合うことができれば、心地よい関係を築けますが、反発し合うだけでは心身ともに疲弊してしまいがちです。

「フェードアウト」こそ得策!

嫌々お付き合いするのは、お互いにとって何のプラスにもなりません。環境や価値観が変われば、お付き合いする人も変わって当然。今あなたがいるコミュニティを嘆くより、新しいコミュニティを探したほうがいいかもしれませんね。新しい環境になる今こそ、そのいい機会です。思い切って、人間関係の「お片付け」をしてみませんか?

といっても、みなさんの中には、関係を断ち切ることに罪悪感を持つ方が意外に多いようです。そこで、アドバイス。相手が何かを言ってきたときに無視するのはどうかと思いますが、積極的にこちらから連絡を取らなくなるのは悪いことではない、という感覚をぜひ覚えておいてください。

律儀な方は「もう連絡はしません」「今後、お付き合いはしません」のような宣言しなければ…とか、きちんと相手に伝えなければ関係を断ち切れないと思う……とか、こういう方が多いのですね。

でも、このような行動、宣言をすることがかえって対立や確執を生むことに繋がります。実際は、自然に、ゆっくり、フェードアウトするのが得策。仕事上のやむを得ない場合を除いて、自分の心が不快になる人とは、物理的な接触を避けるのが鉄則です。煩わしい関係を断つことにより、思っていたよりもずっと身軽になれることは間違いありません。

ただここで、一つだけ注意してください。それは相手のことが嫌でも、気になって仕方がない時は、もしかしたら、あなたのほうが相手に依存しているかもしれないということです。その場合、関係性を断ち切るのはかなりの労力がいります。連絡を取らないこと自体に負担がかかっては意味がありません。まずは自分の心に正直になって、自分の気持ちを見つめるところから始めましょう。答えは必ずあなたの心の中にありますから。

桜の便りとともに重いコートを脱ぎ捨て、同時に心も軽やかにしたいですね。そして、お天気のいい日は、ランチタイムに外へ出ておひさまの光をたっぷり浴びましょう! 花粉症の方は、日当たりのいい窓の近くの席で日の光を浴びてはいかがでしょうか。今からのストレスを溜めない工夫が、あなたを5月病から守ってくれますよ!

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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