ディズニーがアジアの動画配信で重視すること アジア太平洋地域の幹部が語る市場の特徴

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――11月20日にはボブ・チャペック氏が解任され、ボブ・アイガー氏がCEOに復帰しました。動画配信についても、今後より収益性を求められるのではありませんか?

そのことについては具体的にお答えできない。1つ言えるのは、APACが非常に重要で、戦略的な地域であることだ。そしてもちろん、日本はAPACの中でも最重要市場の1つだ。

財務的なことを伝えられないが、独自コンテンツ制作において、私たちはプロジェクトをしっかり選別している。そのためにも、地域の特性や消費者が何を求めているかを常に考え、地域の最良のクリエイティブと制作することに努めている。

日本の制作費は韓国や中国に比べて低い

シンガポールで行われたディスニー・コンテンツ・ショーケースでプレゼンテーションを行うアジア太平洋地域プレジデントのルーク・カン氏(写真:The Walt Disney Company)

――日本発のコンテンツの強み・弱みについて、どう分析しますか。

日本は、世界から見ても強いIP(知的財産)と深いストーリーを持っている。でもそれはビデオという形ではなく、多くは漫画や本という形で成立している。

韓国のドラマは確かに成功しているが、その多くは韓国発のデジタルコミック「ウェブトゥーン」から来ている。そう考えると、日本も大きな可能性を持っている。

ただ、日本のドラマの1話あたりの制作費は、韓国や中国などと比べて最も低い。20~30年前は日本の制作費が最も高く、この地域の中で最も強いものだった。その背景にはいろいろあると思うが、決して日本のクリエーターの才能が劣っているからではない。リソースが振り向けられれば、質が上がって、世界もそれに気づくと思う。

すでに日本における1話あたりの制作費は上がり始めている。そうすることで質が上がるというサイクルに入りつつある。われわれもその一翼を担いたい。

クリエーターにさまざまな機会を与えることも大事だ。今回、日本の三池崇史監督と韓国の実力派俳優がタッグを組んでバイオレンス・スリラー『コネクト』を制作した。今後も国をまたいだコンテンツ作りが進展していくと思う。

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