ディズニーがアジアの動画配信で重視すること アジア太平洋地域の幹部が語る市場の特徴

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――APACの市場としての特性は何でしょうか。

APACを1つの市場ととらえることはできない。いろいろな市場が集まった地域。そして、それぞれにユニークな特徴がある。ディズニーにはたくさんのコンテンツブランドがあるが、国によってブランドの人気に違いがある。

ルーク・カン(LUKE KANG)/ウォルト・ディズニー・カンパニー・アジア・パシフィック(APAC)のプレジデント。APACにおけるディズニーの事業全般を統括。2011年韓国のマネージング・ディレクターとして入社。2014年からは中国・上海を拠点として中国事業を統括。2017年には日本と韓国にも担当地域を広げた(記者撮影)

例えば、日本ではディズニーブランドがとても愛されている。ほかの市場と比べて、幅広い世代の支持があり、特に若い女性の支持が高い。私たちは日本市場から学んだ特徴を、ほかのAPACの国にも取り入れ、さらに拡大しようとしている。

APACとしての共通点もある。それは地域独自のコンテンツを好むということだ。APACは世界で最も人口の多い市場であり、その中に豊かな国やこれから成長していく国、人口の多い国、少ない国がある。多様な民族がいて、多様な言語を話す。

だからこそ、各国の独自コンテンツが重要になる。地域の優れたクリエーターやIP(知的財産)と手を組むことが大事だ。

コンテンツの供給体制が整っていない

――課題は何ですか。

独自のコンテンツについて強い要求がある中で、供給体制が整っていないことだ。優れたクリエーターとともに優れたストーリーを提供することを急いでいるが、まだバランスが取れていない。今後はそうした体制作りに投資することが大事になる。

11月には「クリエイティブ・エクスペリエンス」というプログラムを始めた。APACのクリエーターたちを、アメリカのトップクリエーターたちとつなげていく取り組みだ。

具体的には、11月に公開されたばかりの『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の監督兼共同脚本家であるライアン・クーグラー氏や、マーベル・スタジオの幹部などから映画制作について直接話を聞く機会を持ち、APACから約200人のクリエーターが参加した。

クリエーター同士がアイデアや知見、知識を交流させ、可能性を広げることを狙っている。次回は12月16日に全世界で公開される『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のジェームズ・キャメロン監督を招くことを計画している。

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