失神チャレンジに興じる子供達過去に15人死亡か TikTokで「失神」を競い意識を取り戻すまでを撮影
なぜ顔年齢推定ソフトを採用しなかったのか
顔年齢推定ソフト
ティックトックはブルームバーグ・ビジネスウィークへの最近のコメントを含め、同じメッセージを繰り返している。ブルームバーグ・ビジネスウィークがニュース報道や裁判記録、遺族とのインタビューをまとめたところによると、失神チャレンジは過去1年半で12歳以下の子ども少なくとも15人の死亡に関係している。こうした死亡事故を報じるニュースは見出しでティックトックに触れることが多々あるが、警察側は情報自由法に基づく内部報告の閲覧請求を拒否している。
ミルウォーキーでアリアーニさんが亡くなる以前、ティックトックの経営陣は年齢を偽ってアカウントを作成しようとする子どもたちをより適切に検出できないかと取り組んでいたが、今のところ不適切なアカウント作成を阻止する有効なメカニズムはない。
ティックトックは21年、少なくとも2社の顔年齢推定ソフトウエアプロバイダーと接触。こうしたソフトは10歳未満と10歳代を比較的正確に区別することができる。だが関係者の1人によると、ティックトック最高幹部の1人は交渉を中止したという。
中国のバイトダンス(字節跳動)が運営するティックトックは、世界中で規制当局や政治家から中国政府の監視手段になっていると指摘されており、米国では禁止される可能性もある。
関係者によれば、この最高幹部は生体認証データを使用することで、中国が子どものユーザーをスパイしているという疑惑が高まることを恐れていたという。ツイッターやインスタグラムなど他のソーシャルメディアプラットフォームはこうした年齢推定ソフトウエアプロバイダーと提携している。
米国での訴訟
ティックトックはこのテクノロジーを採用しなかった理由や交渉についてコメントを控えたが、適正年齢に達していない子どもたちのアカウントは削除していると説明。今年1-6月(上期)だけで4100万アカウントを削除したという。だが、元従業員によれば、世界のユーザー数が10億人を超えるティックトックで、こうした作業が終わることはない。