先代はフロントとリアのデザインが異なり、リアについては大容量バッテリーを搭載するためにリアオーバーハングを延長していたが、新型はバッテリーの搭載位置をHEV同様、リアシート下部に変更したことで同一になった。
これにより、PHEVはオーバーハングが短くなったにもかかわらず、先代よりラゲッジスペースが広くなっているという。
ボディカラーは8色で、「アッシュ」と「マスタード」が新規導入色になる。灰色を意味するアッシュは、ソリッドのグレーをベースに色味のあるマイカを加え、見る角度により微妙に異なる色合いを実現したとのこと。マスタードは彩度を抑えつつメタリックを加え、光が当たる部分のみ輝くように仕上げたという。
商品に込めた思いは伝わるか
インテリアでまず目に入るのは、メーターだ。ステアリングの上から見るタイプであることは共通するが、1997年発表の初代以来、受け継がれてきたセンターメーターの採用が見送られ、ドライバーの前に移ったのである。
その形状は、BEVのbZ4Xにも似ている。もちろん表示内容は違っているが、横長のセンターメーターに多彩な情報を表示してきたプリウスならではのスタイルとは訣別し、電動車としての統一感を目指すことにしたようだ。
このほか、これまでのプリウスと違う部分としては、セレクターレバーもある。2代目以降、位置を変えながら使い続けてきた小ぶりなレバーは受け継がれず、クラウンクロスオーバーのそれに似た、太いグリップがベースから直接立ち上がるタイプになった。
新型の発表資料には、商品に込めた思いとして「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」が掲げられている。走りの楽しさをデザインでもアピールしたいという気持ちが、低められたボディとともに、このような仕立てに結びついたのかもしれない。
内装色についても、今回発表された3タイプはいずれも黒基調で、インパネやシートへの差し色はグレーまたはレッドが用意され、アンビエントライトも赤になるなど、これまでより精悍な装いだ。
一方、メーターやセレクターレバーに他のトヨタ車に似たデザインを導入したところを見ると、プリウスが「トヨタのエコカーの代表」から、BEVやPHEVを含めた「数あるソリューションの1つ」という位置付けに移行しつつある印象を受ける。
トヨタはこれまでも、カーボンニュートラルに対応するパワートレイン戦略として、「燃料電池や水素エンジンを含めた全方位的な対応をしていく」と明言している。HEVをエコカーの主役に据えていた10年前とは、明らかに違う。
その中で、走りの楽しさをデザインでも強調してきた新型プリウスは、どのように受け入れられるのか。今後の動向を見守っていきたいと思っている。
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