日産「6代目セレナ」ついに姿を表した新型の全貌 地道な改善を追求し続けた日産の執念が形に

✎ 1〜 ✎ 119 ✎ 120 ✎ 121 ✎ 最新
拡大
縮小

実際、運転支援装備では新登場の最上級グレードに「LUXION:ルキシオン」に、ミニバンとして初めてハンズオフを可能とした「プロパイロット2.0」を搭載しているし、その他グレードに搭載される「プロパイロット」にもナビリンク機能やリモートパーキング機能などを追加し、安全性と利便性の向上を図っている。「緊急停止支援システム」がついたのもポイントだ。

インテリアは視界のよさも追求された(写真:日産自動車)

高速道路の長い上り坂や峠道で発電量不足を感じたe-POWERは、新たに「高出力モーター+1.4L専用エンジン」とした第2世代とすることで、走りの質を上げている。

また、シートの構造や静粛性の改善を図るだけでなく、車内からの視界や走行中の乗員の“揺れ”などを追求することで、“疲れにくさ”や“酔いにくさ”を抑え込んだほか、サスペンションやステアリング、空力を改善することで高速時の運転の安全性も向上したという。

後席用フリップダウンモニターの配置まで追求したというから、疲れにくさ/酔いにくさへの執念は並大抵のものではない。こうした地道な追求が、新型セレナを形作っているのである。

唯一、「改悪か」と思われるのは、2.0リッターガソリン車がマイルドハイブリッドの「S-HYBRID」でなくなったことだが、コストや信頼性を重視した結果だろうか。

狙い目はLUXIONかハイウェイスターVか

グレードはガソリン車が「X」「XV」「ハイウェイスターV」の3グレードでそれぞれに2WDと4WDを設定。e-POWERは全車2WDで、「e-POWER X」「e-POWERXV」「e-POWERハイウェイスターV」の3グレードに加え、新たに最上級グレードとしてLUXIONを設定する。基本モデルが8人乗りで、LUXIONのみキャプテンシートの7人乗りだ。

LUXIONのインテリア(写真:日産自動車)

LUXIONには、プロパイロット2.0がシリーズ唯一、標準装備となるほか、アダプティブLEDヘッドライトシステム、統合型インターフェースディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、合皮シート、アンビエントライトなどが装備される。

価格(税込み)は2WD車のみが発表されており、「ガソリン X 2WD」319万8800円から、「e-POWER LUXION」の479万8200円まで。販売の主力となるであろう「ハイウェイスターV」は、ガソリン車が326万9200円、e-POWERが368万6100円となっている。LUXIONだけがグンと高い印象だが、このグレードのみ「NissanConnectナビゲーションシステム」が標準装備となっている点は、注意したい。

新型セレナの発売は、ガソリン車が今冬から、e-POWER 車は来春になるという。ノア/ヴォクシー、ステップワゴンとの戦いは、2023年が本番となりそうだ。

この記事の画像を見る(127枚)
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT