中国「iPhone工場」、従業員が"大量離職"の大混乱 工場周辺に労働者が次々現れ、SNSでも大騒ぎに
世界最大のiPhone生産拠点である鴻海精密工業の鄭州工場(中国・河南省鄭州市)が大混乱している。
鄭州市内で新型コロナウイルスの感染が拡大した10月中旬以降“封鎖”下での生産体制に移行し、感染の不安や封鎖生活のストレスから従業員が大量離職。
11月22日から23日にかけては手当を巡って従業員と当局が衝突し、動画がSNSで拡散した。鴻海は11月下旬の生産正常化を目標にしていたが混乱収束のめどが立たず、同社だけでなくアップルの業績にも深い影を落としている。
「工場2万人感染」「従業員が脱走」SNSで飛び交う情報
鄭州工場の異常事態は最近始まったことではなく、1カ月半にわたって続いている。それが最初に表面化したのは10月下旬、やはりSNSでの拡散だった。
広州や鄭州など、地方の大都市で感染がじわじわ広がる中、「工場内で2万人が感染した」というデマがSNSのウェイボ(微博)でトレンド入りした。鴻海は「操業は通常どおり」と否定したものの、前後して鴻海の出稼ぎ従業員と見られる労働者が工場周辺に次々に現れ、「脱走か」と騒然となった。
鴻海や元従業員によると、鄭州工場では10月に感染者が出始め、同月13日にバブル方式を導入した。従業員に寮、ホテルなど決められた場所と工場以外への立ち寄りを禁止し、建物ごとにPCR検査場を設置したほか、食堂を閉鎖した。従業員は食事のたびに自室に戻って1人で弁当を食べることとなり、不安やストレスからさまざまな憶測とデマが飛び交うようになったという。
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