「部下が育たない上司」は仕事の振り方を知らない 伝え方を工夫するだけで部下は自ら行動する

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(写真:pearlinheart / PIXTA)

「データの作成を頼んだのになかなか上がってこない」「チャットで意見を聞いても返事がこない」「イマドキの若者は叱られ慣れていないと聞いたので優しく注意をしたのに改善されない」。

今、このような悩みに直面している上司は多いのではないでしょうか。「もうどう指導をしたらいいのか、わからない!」と匙を投げたくなることもあるでしょう。だからと言って、逃げ出すことはできません。

では、どのように指導をしたらいいのでしょうか。『イマドキ部下を伸ばす7つの技術』の著者であり、実際にイマドキの若者(現役高校生、大学生、新入社員)を指導する福山敦士さんがコツを紹介します。

「何をしたらいいのかわからない部下」には手順を示す

部下に仕事を振るときは、迷うことのないよう指示を具体的にしましょう。ここで重要なのは「ステップ1、2、3という手順で示す」ことです。 

そう工夫をすることで、部下の「何をしたらいいのかわからない」を解消することができ、部下もやるべきことを具体的な行動へと落とし込むことができます。

上司と部下では、仕事に対する視野や物事をどの位置から捉えるかという視座が異なります。

そのため、上司にとっては簡単だと思われる仕事でも、部下にとっては難しいことが往々にしてあるのです。そのような違いを踏まえて、具体的な手順をステップとして提示してあげることが大事です。

たとえば、営業をしたことがない人に対し、「お客さんのもとに100回足を運べばOK」と言っても、その人は行動できません。

そうではなく、

「ステップ1:見込み客の連絡先をリストアップする」
「ステップ2:アプローチ用のスクリプトを用意する」
「ステップ3:目標を決めてアプローチし、行動と成果を集計して改善していく」

などのように、手順を具体化します。

ここまで落とし込めれば、営業をしたことがない人でも行動できます。もっと言えば、新人でも自ら実践できるような手順書やマニュアルを準備できるかどうかが、上司としての力量を表すことにもなるのです。

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