「ゲーム反対派」の小籔さんが動画配信を始めた訳 「フォートナイト下手くそおじさん」誕生の経緯

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小籔千豊さん
「ゲームは時間の無駄」、「得るものは少ない」とゲームに対して否定的な親だった小籔千豊さん。ここまではよくいる親という印象ですが、なんと息子さんに勧められて嫌々始めたはずのオンラインゲーム『フォートナイト』にどハマリ。ゲームがしたくてしたくて堪らない気持ちになってしまいます。そんな小籔さんがとった方法は……? 著書『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』から一部抜粋してお届けします。

ゲームにハマるほど増す背徳感

自分専用のNintendo Switchを買ったおかげで、息子が起きて家にいる時間でも堂々とフォートナイトができるようになりました。そして息子と比べて数段ヘタクソだった僕は、夜中に1人で長い時間フォートナイトの練習をするようになりました。そんな時はいつも、もう1人の自分が僕に囁くのです。

「えーんか、ええ年した大人が」
 「はよ寝なあかんやろが」
 「仕事だけやっとけ」
 「ドラム練習は?」
 「新喜劇の次の台本は?」
 「テレビ、こないだ滑りまくっとったやないか?」
 「ゲームなんか無茶苦茶売れて、無茶苦茶金持ちなってからやらんかカス。覇者のつもりか? 努力せい」
 「そんなもん金なるんか? お父さんよぉ」

容赦なく罵倒してきます。まったくの正論です。さすが、もう1人の自分なだけあります。

僕の座右の銘は父親、旦那、座長は人生エンジョイする必要なしでした。それなのに、フォートナイトでエンジョイしまくりな毎日だったワケですから、それはそれは強烈な罪悪感があったのです。

そんな時、カジノ仲間のTが「小籔さん、YouTubeやりませんか?」と声を掛けてくれました。元々、僕はYouTube進出に対して前向きではありませんでしたが、このTという男は別です。とにかくヤリ手のヒットメーカーなんです(この人が言い出すことは当たる)。

僕にはその確信があったので、二つ返事で「やりましょう」と彼に言いました。Tが提案してきたYouTubeの番組内容はトーク、政治、将棋などでした。ですが、僕は彼の提案を断り「フォートナイトならやります」と言い放ったのです。これには僕なりの考えがありました。お金を稼ぐのが本分である父親・旦那という立場の自分が、暇さえあればゲームやっていることへの罪悪感。それがYouTubeという仕事の中でフォートナイトを扱うことによって、消えると思ったからです。

次ページどれだけフォートナイトをやっても…
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