「吉本新喜劇」の笑いが飽きられない真の理由

「マンネリのワンパターン」は表層的な見方だ

関西だけでなく日本全国にもファンがいる「吉本新喜劇」(写真:吉本興業提供)

全国で高い人気を誇る「吉本新喜劇」

今年のゴールデンウイーク真っただ中の5月3日。東京・赤坂のTBS赤坂ACTシアターで吉本興業が主催したお笑いライブ「東京グランド花月」には、1300人を超える来場者が押し寄せ、ほぼ満席の大入りとなった。

来場者のお目当ては売り出し中の若手から大御所までがそろった多彩な芸人による漫才、コント、落語と「吉本新喜劇」。東京近郊から集まったとみられる来場者の顔からは、終始笑いが絶えなかった。東京だけでなく吉本興業が全国で開くライブで、吉本新喜劇は高い人気を誇っている。

吉本新喜劇――それは、長年にわたって関西人のDNAに刻み込まれている古くて新しいエンターテインメントだ。関西の子供たちは、授業がある土曜の昼に学校から帰ってくると、毎日放送(MBS)でお昼0時54分から始まる吉本新喜劇を見ながら昼食をとるというのが習慣になっているという。関西圏の人々にとっては、当たり前のように日常にあるもの。それが吉本新喜劇である。

大阪のなんばグランド花月では、吉本新喜劇が毎日上演されている。そこで繰り広げられているのは、テンポの速いボケとツッコミの応酬をベースにしたドタバタ劇。いまや「関西の笑い」「吉本の笑い」の象徴とも言える存在となっている吉本新喜劇は、50年以上の歴史を誇っているが、決して古びてはいない。むしろ近年、全国的にもじわじわとその影響力を増している感がある。東京でもTOKYO MXで毎週火曜の深夜に放送されているぐらいだ。座長を務める小籔千豊はいまや東京のテレビでも活躍するようになり、広報担当として新喜劇の魅力を折に触れてアピールしている。

また、近年では、すっちーと吉田裕の「乳首ドリル」が子供たちを中心に大ブームを巻き起こした。すっちーが無言のまま、吉田の体のあちこちをやわらかい棒でたたいたりたたかなかったりする。それに対して、吉田が小気味よくツッコミを返していく。「ドリルせんのかーい!」というフレーズは話題になり、全国区のバラエティ番組でも何度か取り上げられた。

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