全国の「道の駅」は"防災拠点"になるか

立地や制度面でさまざまな課題も

宮城県石巻市の道の駅「上品(じょうぼん)の郷」の太田実駅長(撮影:筆者)

全国1040カ所にまで広がった「道の駅」。採算を度外視した運営が問題視されている(「なぜ道の駅は儲からなくても店を出せるのか」)ものの、地方創生の切り札として、熱い視線を注いでいる人も多い。

そうした中で、"本業"ともいえる地域特産品の物販以外の役割に注目が集まっている。防災拠点としての役割だ。4年前の東日本大震災で避難所や物資補給基地として利用され、国もあらためて防災機能の整備、強化に旗を振る。

しかし、これを本格的な防災インフラとして整備するためには、課題も多い。

懐中電灯に電卓で会計、汚物も人力で処理

「道の駅なら何でもしてくれると、人が押し寄せてきた」

3月14~18日に仙台市で開かれている国連防災世界会議の関連イベントで、宮城県石巻市の道の駅「上品(じょうぼん)の郷」の太田実駅長が明かした。

震度6強の揺れと10m以上の津波に襲われた石巻だったが、内陸寄りの上品の里は津波の直撃や建物の倒壊を免れた。むしろ木造の格子状の造りが揺れをうまく吸収し、建物自体はほとんど無傷で済んだ。

しかし、周囲のインフラは壊滅。停電、断水は10日以上続いた。211台収容の駐車場は一時300台以上の車でひしめきあい、助けを求める人がなだれ込んできた。売店、産直施設には食料があり、無料で配ることもできたが「有料にしたほうが整然と提供できると思い、真っ暗な屋内で懐中電灯と電卓を使って会計をした」と太田駅長。トイレも水が流れないため、便器から盛り上がる汚物を職員が手袋をはめて処理した。

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