「大学全入時代」高校生を悩ます大学に行く意味 選ばなければ誰でも大学に行ける時代に入る

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お察しの通り、もはや大学卒業という免許自体は共有過剰状態であり、そのもの自体に前述の一部を除き価値はありませんし、人生におけるなんの保証にもなりません。

つまりだた通っただけではダメで、ただ卒業しただけではダメなのです。そこで何をして何を学び、どう成長したか、が問われるのです。まさに入ろうと思えば入れる、ということですから、入り口段階では誰にでもくぐれる門なのです。

であるがゆえに、出口の段階でいかに差別化を図れるか、「そのほか大勢」に埋もれないようにするためにどうするか、を考えるべきです。
そのためにも、できるだけ早い段階で将来進みたい道のメドをつけるべく、多くを学び多くを経験する、ということが大切です。

理想としては最初の1年ちょっとの間に、幅広い勉学や卒業生との交流、各種セミナー、アルバイト体験等を通じて、つまり大学生であることのメリットを最大限活用して絞り込めるとよいでしょう。その後は関連する勉学等への注力といった将来のための準備に力を入れることができますから、そういった探求をまずは目的に行ってみるのも手です。

実際に私自身も当時将来やりたいことが明確でなかったがゆえに、幅広い分野を学べる「国際学部」という名のなんでも学部を選びましたし、その後「経営学」の分野に注力していったクチです。

ですから、例えばもし現時点において将来やりたいことが明確であれば、「大学×専門学校」の選択肢を取り、大学を専門学校では近視眼的、マクロ視点になってしまう自分の知見を広げる場、などと位置づけ、そのための活動をすればいいのです。

やりたいことが不明確なら幅広く勉強する

反対に、現時点において将来やりたいことが不明確であれば、意図的に幅広い分野の勉強をし、いろんなヒトの話を聞き、実際に経験をしてみて、自分にとっての適性等を探る自分探求を「まずは」目的とする、というのもアリでしょう。

いずれにせよ、大学はボーっとして漠然と過ごす場ではありませんし、「大学だけは出ておく」的な軽いノリで行っても何のメリットもない場です。

言い換えると、大学とは「何か将来得することを誰かがしてくれるから行く」場ではなく、「将来を有利にするべく自分が行動する」場なのです。
受け身ではなく、積極性。これが問われます。

IKさんがそんな気持ちと心構えで、大学とは、を見直し、ご自身の今後の人生における付加価値となる時間を過ごされるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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