《自分は誰のために働いているのだろう。座談会を通じて、私自身が猛反省した。「世のため人のため」というと「きれいごと」と捉える人がいるだろう。ただ、今こそ、その姿勢が大事ではないか。自分の仕事が誰に、どのように貢献するのか。この点を意識したい。そうであるがゆえに、サントリーフーズの内藤さんや、野村証券の宇治さんは本来の業務からやや離れた相談をお客様からいただいたのだろう。
新型コロナウイルス禍の本質は、あらゆる意味で人と人との距離を離したことだと私は捉えている。その中で、いかに密な関係を築くか、維持するか。リアルな接点の価値を正直に語ってくれて、私はうれしかった。オンラインとリアルをいかに組み合わせるのか、今も模索は続いているが、カッコつけること、強がることをやめて、それぞれのメリットやデメリットを正直に語るべきではないか。模索を続けなくてはならない。
思えば、リクルートでの若手社員時代、営業職をしていた私はよく上司や先輩から、営業が強い企業のエピソードを聞いた。当時のリクルートも「営業会社」と言われるくらい営業の強さが話題となっていた。今回、座談会に登場いただいた企業のエピソードを聞き、先輩もリスペクトしていた「強い営業」という言葉をつい使ってしまった。
しかし、今回の座談会出席者からこの言葉への違和感、戸惑いがみられ、私は反省した。強いとは、所詮、社内の論理ではないか。顧客不在ではないか。私が「強い営業がいる」と思い込んでいた企業は、顧客とともに栄えることを大事にしていた。
テックの時代だが、営業活動は続いている。進化している。この座談会で日本の営業担当者が誇りを持ち、前に進む勇気を持ってくれたらこれほどうれしいことはない》
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